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目線が合っただけで「セクハラ」と騒ぐ女性患者

2014/03/10

 友人から、「満員電車に乗るときは必ず両手を挙げて乗車している」という話を聞いたことがある。その理由は、痴漢のえん罪リスクを減らすためだという。

 私は「大げさだな」と思ったのだが、よく話を聞いてみると、「確かにその方がいいかもなあ」と思える。痴漢の疑いをかけられ、警察に突き出されれば、被害者の証言がほぼ100%採用され、有罪を免れることは絶望的になる。つまり有罪率は限りなく100%に近いらしい。痴漢のえん罪事件を題材にした映画「それでもボクはやってない」(2007年、周防正行監督)もあるくらいだ。

 無実の罪であっても、疑いをかけられた時点でアウトなので、少しの疑いもかからぬように行動する──極めて正しい選択をしているといえるわけだ。

 なぜこんな話をしたかというと、最近相談に乗ったトラブル事例の中に、「女性患者からセクハラの苦情が来たのだがどうしたらいいか」というものがあったからだ。

 医療の現場では、患者の体に触ったり、観察したりすることが当たり前のように行われる。考えようによってはセクハラ疑惑の起きやすい職場であるといえる。医療現場で働く男性たちは、いつえん罪事件に巻き込まれてもおかしくない状況にある、と言ったら言い過ぎだろうか。

 今回は、医療現場で起きたセクハラトラブルを紹介する。

著者プロフィール

尾内康彦(大阪府保険医協会事務局参与)●おのうち・やすひこ氏。大阪外国語大学卒。1979年大阪府保険医協会に入局。年400件以上の医療機関トラブルの相談に乗り、「なにわのトラブルバスター」の異名を持つ。著書に『患者トラブルを解決する「技術」』(日経BP)がある。

連載の紹介

なにわのトラブルバスターの「患者トラブル解決術」
病医院を構えている限り、いつどんな患者がやって来るかわかりません。いったん患者トラブルが発生し、解決に手間取ると、対応する職員の疲弊、患者の減少という悪循環を招き、経営の土台が揺らぎかねません。筆者が相談に乗った事例を紹介しながら、患者トラブル解決の「真髄」に迫ります。
著者の最新刊『続・患者トラブルを解決する「技術」』好評販売中

 ますます高度化、複雑化する患者トラブルに、医療機関はどう対峙していけばいいのか。ご好評をいただいた前著『患者トラブルを解決する「技術」』の続編として、解決難易度の高い患者トラブルの対処法を体系的にまとめました。前著が基礎編、本書が応用編の位置づけですが、本書だけでも基本が押さえられるように構成しています。(尾内康彦著、日経BP社、2052円税込)

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