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身勝手な要求を通したい患者が繰り出した「奥の手」

2014/02/24

 メディアを騒がせている“にせ作曲家”問題。私の立場からあの騒動を見ると、やはり一番気になるのは、実は耳が聞こえるのに、聴覚障害2級の認定を不正に受けていたという疑惑がかかっていることだ。本人は、3年前から回復して少し聞こえるようになったと弁明しているようだが、既に露呈している事実を勘案すると、にわかには信じがたい。

 以前にこのコラムで取り上げた詐病患者のケースでは、視覚障害を装った詐病と見抜くことができた。しかし、もし彼が聴覚障害2級の認定を不正取得していたならば、診断書を書いた指定医も、認定した市も、まんまとだまされていたことになる。大事なのは、不正取得を防ぐために、今後、どんな手段を講じればいいのかということ。ゴシップ報道は3カ月もすると飽きられ、忘れられていくが、この話は障害者医療や年金など公費に関わることなので、しっかりとした検証と対策が必要だろう。

 さて、前置きが少し長くなってしまったが、今回は精神疾患が疑われる患者のケースである。最近、こうした患者にまつわるトラブルの相談が急増している。相手は精神疾患を抱えている可能性があるので、一般の患者と同じように対応していると、どんどん泥沼にはまり、解決が遠のいてしまうので注意が必要だ。

著者プロフィール

尾内康彦(大阪府保険医協会事務局参与)●おのうち・やすひこ氏。大阪外国語大学卒。1979年大阪府保険医協会に入局。年400件以上の医療機関トラブルの相談に乗り、「なにわのトラブルバスター」の異名を持つ。著書に『患者トラブルを解決する「技術」』(日経BP)がある。

連載の紹介

なにわのトラブルバスターの「患者トラブル解決術」
病医院を構えている限り、いつどんな患者がやって来るかわかりません。いったん患者トラブルが発生し、解決に手間取ると、対応する職員の疲弊、患者の減少という悪循環を招き、経営の土台が揺らぎかねません。筆者が相談に乗った事例を紹介しながら、患者トラブル解決の「真髄」に迫ります。
著者の最新刊『続・患者トラブルを解決する「技術」』好評販売中

 ますます高度化、複雑化する患者トラブルに、医療機関はどう対峙していけばいいのか。ご好評をいただいた前著『患者トラブルを解決する「技術」』の続編として、解決難易度の高い患者トラブルの対処法を体系的にまとめました。前著が基礎編、本書が応用編の位置づけですが、本書だけでも基本が押さえられるように構成しています。(尾内康彦著、日経BP社、2052円税込)

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