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複雑な医療保険制度についていけない患者

2014/01/27

 私のところには毎日のように医療機関からトラブル相談の電話がかかってくる。そのほとんどは、本当に困っていてわらをもつかむ思いで私を頼って相談してくるのだが、たまに「上から目線」の人や、何かを決断するためのアリバイづくりで電話をかけてくる方がいる。今回取り上げるのは未収金の支払いを渋る患者家族の話だが、その相談を私に持ちかけてきたクリニックの事務長にも少々難渋してしまった。

 アリバイづくりというのは、「自分たちは、こういう困った患者に対してこうすることに決めたのだけれど、間違っていないですよね」という感じで話を持ちかけてくるパターンのことを指す。このパターンの人は、結論ありきで電話をかけてくるので、こちらが事情を詳しく聞こうとすると「何でそんなことまで聞くんですか?」と不快そうに言い返してくる。トラブルの中身をあまり言いたくない、という雰囲気が、受話器越しに漂ってくるのである。

著者プロフィール

尾内康彦(大阪府保険医協会事務局参与)●おのうち・やすひこ氏。大阪外国語大学卒。1979年大阪府保険医協会に入局。年400件以上の医療機関トラブルの相談に乗り、「なにわのトラブルバスター」の異名を持つ。著書に『患者トラブルを解決する「技術」』(日経BP)がある。

連載の紹介

なにわのトラブルバスターの「患者トラブル解決術」
病医院を構えている限り、いつどんな患者がやって来るかわかりません。いったん患者トラブルが発生し、解決に手間取ると、対応する職員の疲弊、患者の減少という悪循環を招き、経営の土台が揺らぎかねません。筆者が相談に乗った事例を紹介しながら、患者トラブル解決の「真髄」に迫ります。
著者の最新刊『続・患者トラブルを解決する「技術」』好評販売中

 ますます高度化、複雑化する患者トラブルに、医療機関はどう対峙していけばいいのか。ご好評をいただいた前著『患者トラブルを解決する「技術」』の続編として、解決難易度の高い患者トラブルの対処法を体系的にまとめました。前著が基礎編、本書が応用編の位置づけですが、本書だけでも基本が押さえられるように構成しています。(尾内康彦著、日経BP社、2052円税込)

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