日経メディカルのロゴ画像

トラブル解決を妨げる医師の「2つの誤解」

2013/07/22
尾内康彦

 患者トラブルの解決を難しくしているのは何だろうか、とふと考えることがある。

 例えば、悪意のある患者がよりずる賢くなっているからだろうか。確かにそういう面はある。警察沙汰にならないよう、ギリギリの一線を越えないようにして、迷惑行為を繰り返すなど、彼らの手口は日々進化している。また別の要因としては、認知症、アルコール依存症、パーソナリティー障害などが疑われるような患者が、一般の内科などに受診に来て、現場が大混乱に陥った、という話を耳にする機会も増えている。場数の少ない開業医がこうした患者に遭遇したら、十中八九、困惑するだろう。これらは、いずれも患者側の原因を探った場合に言えることだ。

 翻って、医療機関側を見てみると、実はこちらにも大きな原因がある。それが典型的に表れたケースを今回紹介したいと思う。

 患者側の状況を変えようと思っても、一医療機関の努力だけでは大変難しいが、医療機関側に原因があるのなら努力次第で取り除くことが可能だ。実は、これを実践するだけで、トラブルに対する強度を大幅にアップさせることができる。

著者プロフィール

尾内康彦(大阪府保険医協会事務局参与)●おのうち・やすひこ氏。大阪外国語大学卒。1979年大阪府保険医協会に入局。年400件以上の医療機関トラブルの相談に乗り、「なにわのトラブルバスター」の異名を持つ。著書に『患者トラブルを解決する「技術」』(日経BP)がある。

連載の紹介

なにわのトラブルバスターの「患者トラブル解決術」
病医院を構えている限り、いつどんな患者がやって来るかわかりません。いったん患者トラブルが発生し、解決に手間取ると、対応する職員の疲弊、患者の減少という悪循環を招き、経営の土台が揺らぎかねません。筆者が相談に乗った事例を紹介しながら、患者トラブル解決の「真髄」に迫ります。
著者の最新刊『続・患者トラブルを解決する「技術」』好評販売中

 ますます高度化、複雑化する患者トラブルに、医療機関はどう対峙していけばいいのか。ご好評をいただいた前著『患者トラブルを解決する「技術」』の続編として、解決難易度の高い患者トラブルの対処法を体系的にまとめました。前著が基礎編、本書が応用編の位置づけですが、本書だけでも基本が押さえられるように構成しています。(尾内康彦著、日経BP社、2052円税込)

この記事を読んでいる人におすすめ