日経メディカルのロゴ画像

脅迫電話で女性医師を怖がらせて楽しむストーカー

2013/05/27

 今回は、女性医師に付きまとうストーカーによるトラブル事例を紹介しよう。相談に乗ったのはつい数日前のことだ。

 ただ、その時点ではすでに打つ手が限られるほど、事態は進行してしまっていた。それでも、手遅れになる前にできるだけの手を打つことはできたと思う。

 きっかけはこの電話からだった。
「患者から『後ろから刺してやろうか』と脅されています。私だけじゃなくて、スタッフも怖がっていて…。いったい、どうしたらいいんでしょうか」

 電話をかけてきたのは、大阪府下で内科を開業しているA医院のA院長だった。A院長は以前にも相談に乗ったことがある。人当たりが良く優しくて、患者に人気のある女性医師、という記憶がある。

 久々に聞いた声は、非常に疲れており、今直面しているトラブルの深刻さを思わせた。患者は明らかに院長を脅迫しており、すでに犯罪のにおいが漂っている。なぜそんな厄介な事態に巻き込まれてしまったのか。A院長から詳しく話を聞くことにした。

 経緯が込み入っていて、話が少々長くなるが、ぜひ最後まで読んでいただきたい。

著者プロフィール

尾内康彦(大阪府保険医協会事務局参与)●おのうち・やすひこ氏。大阪外国語大学卒。1979年大阪府保険医協会に入局。年400件以上の医療機関トラブルの相談に乗り、「なにわのトラブルバスター」の異名を持つ。著書に『患者トラブルを解決する「技術」』(日経BP)がある。

連載の紹介

なにわのトラブルバスターの「患者トラブル解決術」
病医院を構えている限り、いつどんな患者がやって来るかわかりません。いったん患者トラブルが発生し、解決に手間取ると、対応する職員の疲弊、患者の減少という悪循環を招き、経営の土台が揺らぎかねません。筆者が相談に乗った事例を紹介しながら、患者トラブル解決の「真髄」に迫ります。
著者の最新刊『続・患者トラブルを解決する「技術」』好評販売中

 ますます高度化、複雑化する患者トラブルに、医療機関はどう対峙していけばいいのか。ご好評をいただいた前著『患者トラブルを解決する「技術」』の続編として、解決難易度の高い患者トラブルの対処法を体系的にまとめました。前著が基礎編、本書が応用編の位置づけですが、本書だけでも基本が押さえられるように構成しています。(尾内康彦著、日経BP社、2052円税込)

この記事を読んでいる人におすすめ