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スペシャル対談「病医院は警察とどう付き合うべきか?」(その1)
「怖いと思ったら110番」、マニュアルはこれだけでいい
ゲスト:横内昭光氏(慈恵大学渉外室顧問、元警視庁捜査1課管理官)

2012/09/24

 患者が迷惑行為を繰り返したり、職員に暴力・暴言を振るったりするケースでは、職員を守るためにも、直ちに(1秒でも早く)それらの行為をやめさせなければならない。迷惑行為や暴力・暴言をすぐにストップさせる方法として、私が対策の1つの核にしているのが、警察との連携だ。

やはり警察は頼れる存在
 警察権力には強制力がある。これを活用しない手はない。ただ、医療関係者の間では、病院という聖域に、警察が入ってくることに心理的な抵抗を感じる人たちも少なからずいる。「何も警察沙汰にしなくても…」という感覚だ。また、大学病院関係者などには「大学の自治は、自分たちで守る」という意識が高く、警察の介入を嫌がる人もいる。

 そういう意識は重要かもしれないが、例えば、職員が暴力の危機にさらされて事態が切迫しているとき、そんな悠長なことは言っていられない。目の前の迷惑行為をすぐに止めることを最優先に考えた場合、やはり警察はとても頼れる存在なのである。
 
 患者トラブルが起きた際、警察をいかに活用するか、普段から警察とはどんな付き合いをしておけばいいか。病医院経営幹部の方々は、このあたりのノウハウをぜひマスターしていただきたい。

 警察のことに関しては、元警察官に聞くのが一番いいということで、先日、私は元警視庁捜査1課管理官で学校法人慈恵大学渉外室顧問の横内昭光氏にインタビューした。このコラムで、数回に分けて、その報告をしようと思う。

 横内氏が所属する渉外室は「院内交番」という愛称で、東京慈恵会医科大学附属の4病院の職員の方々に浸透している。横内氏を含め警察OB4人が属し、患者トラブル対応から職員の身の上相談まで、幅広く対応している。私が横内氏と会うのは、2008年に「日経ヘルスケア」の企画で対談して以来、4年ぶりである。

 前置きが少々長くなったが、第1回は「医療機関でなぜトラブルが起きやすいのか」を中心に話を聞いた。

著者プロフィール

尾内康彦(大阪府保険医協会事務局参与)●おのうち・やすひこ氏。大阪外国語大学卒。1979年大阪府保険医協会に入局。年400件以上の医療機関トラブルの相談に乗り、「なにわのトラブルバスター」の異名を持つ。著書に『患者トラブルを解決する「技術」』(日経BP)がある。

連載の紹介

なにわのトラブルバスターの「患者トラブル解決術」
病医院を構えている限り、いつどんな患者がやって来るかわかりません。いったん患者トラブルが発生し、解決に手間取ると、対応する職員の疲弊、患者の減少という悪循環を招き、経営の土台が揺らぎかねません。筆者が相談に乗った事例を紹介しながら、患者トラブル解決の「真髄」に迫ります。
著者の最新刊『続・患者トラブルを解決する「技術」』好評販売中

 ますます高度化、複雑化する患者トラブルに、医療機関はどう対峙していけばいいのか。ご好評をいただいた前著『患者トラブルを解決する「技術」』の続編として、解決難易度の高い患者トラブルの対処法を体系的にまとめました。前著が基礎編、本書が応用編の位置づけですが、本書だけでも基本が押さえられるように構成しています。(尾内康彦著、日経BP社、2052円税込)

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