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高校球児のてんかん診療

2015/08/07
中里信和

 てんかんは100人に1人が掛かっていると推計されている疾患です。脳をお持ちの方はどなたでもいつでも、てんかんを発症しておかしくありません。高校球児でさえ例外ではありません(後述のA君)。また、てんかんと誤診されて不要な薬が処方されるケースもあり得ます(B君とC君)。

 今回は、てんかんが疑われた球児の3例について、個人情報を多少アレンジした上で紹介いたします。てんかんの診療が簡単ではないことが、少しでも理解していただけると思います。

A君:熱中症と思われた「側頭葉てんかん
 A君は、甲子園では常連の高校野球部員です。2年生の夏の試合中、ファーストを守っていたA君は、牽制球を受けとった直後、ボールを手に持ったままベンチの方にフラフラと歩き出しました。選手も監督もビックリです。A君は1分程で正気にかえりましたが、熱中症の疑いで病院に運ばれ、点滴を受けてから帰宅しました。

著者プロフィール

中里信和(東北大学てんかん科教授)●なかさとのぶかず氏。1984年東北大学医学部卒。東北大学脳神経外科研修医・同助手、カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部研究員、広南病院臨床研究部長・同副院長などを経て、2010年より現職。国際てんかん連盟ガイドライン委員会委員。

連載の紹介

中里信和の「てんかん科日誌」
有病率は約1%、日本では100万人もの患者がいるといわれるてんかん。その診療はここ数年で激変していますが、最適な治療に出会えずにいる患者の多くは人生を諦めたままでいます。筆者が経験した症例を紹介しつつ、患者の人生を変え得る「てんかん診療の喜び」を伝えます。

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