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【第37回】
爪白癬治療の成功率高める “爪アート”の鑑賞法
本連載が書籍化されました!

2022/05/10

 爪白癬は 皮膚科ではおなじみの疾患。罹患率は約10%なので、日本には1000万~1200万人の患者がいる計算だ。ただし、罹患していても治療を受けていない潜在患者が多く、爪白癬治療薬を開発した製薬企業からすると、「巨大な潜在市場」であり、医師から見れば「膨大に放置された患者たち」が存在する疾患領域だ。

 それほど罹患人口が多いということは、この爪白癬、これからは一般内科医に加え、開業中の一般外科医だって果敢に挑戦すべき疾患だろう。そして、その武器として、近年、爪白癬に有効な外用薬が登場している。

 エフィナコナゾール(商品名クレナフィン)とルリコナゾール(商品名ルコナック)、この2つだ。

 これらを処方する時には、「爪から白癬菌要素を検出しましたよ」とカルテに記載しなければならない。つまり真菌検査が必須の外用薬だ。ただし、真菌検査で爪白癬と診断できたからといって、むやみに処方してよいかというと、そうではない。効果があるタイプの爪白癬と全然ダメなタイプがある、ということが分かってきている。これを知らないと、患者に外用薬をダラダラと処方することになり、「やぶ医者」のレッテルを貼られてしまう。

 どうやって外用の効果を(ある程度)予見すればよいか? 今回は、そのヒントを紹介したい。まず、恒例のクイズにチャレンジしてほしい。

以下に示す写真1~5の症例で外用薬が有効な症例を考えてみてほしい。

写真1 楔、氷柱のようなアート。楔状白濁型

写真2 爪の遠位側から混濁している遠位側縁爪甲下型(DLSO)

写真3 真っ白なペンキを塗りたくったような表在性白色型(SWO)

写真4 全体が濁っており、かつ破壊されているようなタイプ。栄養障害型(TDO)

写真5 爪母の部分にアートのような白濁。近位爪甲下型(PSO)

連載の紹介

【臨床講座】ドキュメント皮膚科外来
患者はヒタイに病名を書いて来院するわけではない。検査結果を待ってじっくり診断する余裕もない。立ち合い勝負の無慈悲な診療科—それが皮膚科である。教科書に載っていない、皮膚科診療における思考過程を再現してみよう。
本連載が書籍になりました!
『一般内科医が知っておきたい皮膚科の話』

 皮膚疾患を診たい、診ざるを得ない非専門医向けに、身近な皮膚疾患について解説する書籍です。患者数が多く、かつ診断に迷うことが多いものの、皮膚科の教科書にはあまり記載がない疾患を中心に、豊富な症例写真を掲載しつつ、診断に至るまでの皮膚科専門医の思考経路を共有します。さらに、患者満足度を挙げるために押さえておきたいコツも紹介します。

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