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【第36回】COVID-19時代の皮膚科診療 その3
治らない手荒れで考えるべきは○○

2021/10/26

 「先生、私の手荒れは治らないんですか? もういやだ。これからは足のユビでテレワークします」
 「先生、薬を使っても使っても、また悪くなります。もうだめです。地球沈没です」
 「先生、こんな治らない手荒れ、残る手段は加持祈祷です。陰陽師に頼みます」

 毎日毎日、押し寄せる手荒れの患者。もう治せないのか……。

 その時、私はつぶやいた。「それでも手荒れは治る。あきらめるのはまだ早い。あきらめたら、その時点で、皮膚科医は終わるのだ」
 
 治らない手荒れについて、過去の連載では、やれ診断がどうのこうの、つまり実は疥癬であったり、手白癬であったり、掌蹠膿疱症であったりなど、「ホントに診断は正しいのか」というお話や、外用薬を塗る回数はどうなのか、手洗いのたびに外用薬は落ちてしまうので頻回に薬を塗り込むことが大切だということも説明してきた。

 刺激性接触皮膚炎が大多数の中にあって、どうしても治らない手湿疹がある。

 診断は間違っておらず、外用薬も根性でしっかり塗った。しかし、それでも治らないという場合にどうするか? まさに手荒れの最終決戦みたいな状況を今回は想定したい。

 手荒れというと、手の湿疹という事実に集中して診察をする傾向がある。だが、その患者の生活歴、日常的に何をしているか? 手袋はどうなのか? 他の部位に湿疹はあるのか? などを総合的に推理しないと、手荒れの原因を見つけることは難しく、解決には至らない。

 ここで、難治な手湿疹の症例写真を供覧する。ただし、患者の話を聞かないと原因は分からないので、ちらっと一瞥して、すぐ答えをご覧ください。

症例1 右手のみの治らない手湿疹

症例2 指間に生じた湿疹 ステロイド外用薬を使用しても再発する

症例3 手首手背に特徴のある「手荒れ」

症例4 手指の特定の部位のみに生じた紅斑および漿液性丘疹

連載の紹介

【臨床講座】ドキュメント皮膚科外来
患者はヒタイに病名を書いて来院するわけではない。検査結果を待ってじっくり診断する余裕もない。立ち合い勝負の無慈悲な診療科—それが皮膚科である。教科書に載っていない、皮膚科診療における思考過程を再現してみよう。

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