これからの時代、皮膚科外来は「非接触」外来になるのか?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の脅威のため、診察の手法を変更せざるを得ない状況になっている。皮膚科の患者は元気だからCOVID-19は大丈夫だぜ、なんて考えていると、あっという間に無症候性でウイルスを運ぶ若者から感染してしまう。皮膚科でおなじみの軟膏処置や真菌検査、ダーモスコピー検査など、ぐっと患者に近寄る診察はかなりの抵抗感があると思う。
となるとどうしても「写真のみ」あるいは「視診のみ」で診断せざるを得ない状況になる。100%非接触とまでにはならなくても、「視るだけ」で皮膚疾患はどこまで正確な診断ができるのか? できるだけ触らないで皮膚を診るのは可能だろうか?
今日は、そんな疾患でのきわどい症例を診断してほしい。
「赤くてちょっとじくじくする部位もある」という場合の鑑別診断だ。
外来ではとにかく急激に増悪する疾患、つまり感染症を何とかしなければならない。
とりわけ「細菌感染≒伝染性膿痂疹」なのか「真菌感染」なのかが大問題となる。
以下の症例を区別してみよう。
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著者プロフィール
中村健一(ドクターケンクリニック院長)●なかむら けんいち氏。信州大医学部卒。宇治徳洲会病院、北里大皮膚科、聖路加国際病院皮膚科を経て、1993年におゆみの皮フ科医院を開業。2018年に移転、医院名を変更。著書に『診療所で診る皮膚疾患』『診療所で診る子どもの皮膚疾患』(いずれも日本医事新報社)など。

連載の紹介
【臨床講座】ドキュメント皮膚科外来
患者はヒタイに病名を書いて来院するわけではない。検査結果を待ってじっくり診断する余裕もない。立ち合い勝負の無慈悲な診療科—それが皮膚科である。教科書に載っていない、皮膚科診療における思考過程を再現してみよう。
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