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【第29回】保湿剤保険はずし騒動にもの申す
保湿剤は「バリヤー機能補強剤」である

2018/02/09

 健康保険組合連合会(健保連)が「保湿剤を化粧品代わりに扱うのはけしからん!」として保険外しをもくろんだことは記憶に新しい。

「子どもに処方した保湿剤を大人が化粧水代わりに使っているようですゼ」
「保湿剤なんて内科でいえばビタミン剤だろ!プラセボだよな」
「乾燥する時期だけなら分からないでもないが、夏も保湿剤を処方するのは問題だ」
「そこらへんの薬局ですぐ手に入るでしょ。ワセリンみたいなもんは保険では扱わなくていいんじゃない?」

ってな感じで、いろいろ叩かれた。

 オブジーボ(一般名ニボルマブ)のとんでもない高薬価、後から後から出てくる生物学的製剤や免疫チェックポイント阻害薬などの猛烈な高薬価で、ウチの様な零細開業医などはいつの日か、「高薬価の新薬に医療財政をつぎ込まなきゃならない。お前の医院は閉めてくれ」なんて言われかねないご時世だ。

 経済学者は「持続可能な社会保障のために」との理由で、保険診療の縮小化に身を乗り出して賛成している。そんな流れの中で、「保湿剤、、こんなもん保険で処方するのはどうなんじゃい!」という意見が出てくるのも当然かもしれない。健保連は「単独での保湿剤処方はけしからん」みたいなことをのたまっているそうな……。

 ではこの保湿剤、実際の臨床現場ではどう使われているのか、読者諸氏はご存知だろうか?

 まずクイズである。以下の症例の疾患名は何で、どのような治療法を患者に勧めるべきだろうか?

写真1 肘に生じた掻破痕を伴う乾燥性軽度落屑性紅斑

連載の紹介

【臨床講座】ドキュメント皮膚科外来
患者はヒタイに病名を書いて来院するわけではない。検査結果を待ってじっくり診断する余裕もない。立ち合い勝負の無慈悲な診療科—それが皮膚科である。教科書に載っていない、皮膚科診療における思考過程を再現してみよう。
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 皮膚疾患を診たい、診ざるを得ない非専門医向けに、身近な皮膚疾患について解説する書籍です。患者数が多く、かつ診断に迷うことが多いものの、皮膚科の教科書にはあまり記載がない疾患を中心に、豊富な症例写真を掲載しつつ、診断に至るまでの皮膚科専門医の思考経路を共有します。さらに、患者満足度を挙げるために押さえておきたいコツも紹介します。

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