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【第26回】帯状疱疹を早期発見するための症例12選
毎日が帯状疱疹!?チョロい疾患と侮るなかれ

2017/05/18

(イラスト:HARU)

 どういうわけか、当医院では帯状疱疹が激増している。初診患者のうち毎日3人くらいは帯状疱疹。異常である!多過ぎる! こんなに患者が多いと、「帯状疱疹クリニック」なんて専門化した医院も現れるかもしれない。

 2015年、水痘ワクチンが定期接種化されたことにより、水痘そのものが減っているのは間違いない。昔は皮膚科医院には水痘患者がよく来たものだった。今、水痘が巷にない……ということは、水痘ウイルスによる抗体産生の「ブースター効果」がないことを意味する。今日本では着々と、人々の中にあるこのウイルスに対する抗体が減少し、神経節で暴れるのを抑えきれず、帯状疱疹を発症する患者が増加しているのであろうか?

帯状疱疹の怖さ、早期発見の重要性
 帯状疱疹を知らない医師はいない。診断も「いたってチョロい」と考えている医師も多いだろう。しかし実際には、スーパー初期の場合、皮膚科専門医ですら帯状疱疹を見逃すことがある。しかし、初診時には分からなくとも、通常は数日の経過で実にお見事な神経支配領域の実践的肉眼像を患者から学べることになる。

 「おお!これナム、タイジョーホーシン!」という経験をお持ちの医師も多いことだろう。発症からだいぶ日にちが経過し、典型的な例ばかり診ている医師が診断に悩むことは、まずあり得ない。「帯状疱疹?簡単だよ。経過を診れば誰でも分かる」

 数日経過すれば確定診断できると考えている読者のみなさん。実はこの「数日」が重大問題なのだ。「診断が遅れるほど、つまり治療開始が遅れるほど神経痛はひどくなる」という事実に多くの医師は直面する。特に高齢者は神経痛がその後長期化するので、なおさらこの数日が重要となる。

 つまり、、、帯状疱疹の課題は 「初診時に診断できるか」だ。典型例は良い。問題は典型的でない症例だ。診断がつかないために抗ウイルス薬の投与が遅れ、気が付いたら激しい神経痛で患者の生活が激変していたという例が後を絶たない。「数日の時間差」が後に生じる神経痛の程度を決すると言っても過言ではない。

 そこで今回は、初診時に帯状疱疹を診断できるように、クイズ形式で症例を説明する。今回は症例写真が豊富なので、軽快な音楽でも聞きながら「右脳」で考えてみてほしい。「考える」というよりは「ひらめき」が大事なので、分からなければすぐ解答を参照していただきたい。

 ではスタート。以下の症例のうち、帯状疱疹はどれか?

連載の紹介

【臨床講座】ドキュメント皮膚科外来
患者はヒタイに病名を書いて来院するわけではない。検査結果を待ってじっくり診断する余裕もない。立ち合い勝負の無慈悲な診療科—それが皮膚科である。教科書に載っていない、皮膚科診療における思考過程を再現してみよう。

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