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【第24回】財務省が進めるかかりつけ医政策で進む医師の淘汰
オートファジーされるかかりつけ医!?

2016/10/31

 大変なことが起ころうとしている。

 財務省は、かかりつけ医政策を進めるために、患者が自分のかかりつけ医以外を受診した場合に定額負担を求めるという提言をまとめた(財務省の関連サイト

 かかりつけ医って要するに「内科小児科」だよね。ってことはいわゆるマイナーな診療科はどうなっちゃうの? という疑問がわく。NHKのニュースを見ていたら、このかかりつけ医定額負担からは「眼科耳鼻科等の科は除く」という表現があった(編集部注、定額負担を求める「かかりつけ医以外」の範囲をどう設定するかはまだ結論が出ていない、関連記事)。

 おおっ、ちょっと待ってくれ、「皮膚科」はないのか?

 かかりつけ医はメジャーな科+眼科耳鼻科となるのか? 皮膚科、泌尿器科、整形外科などを単科標榜で開業している医師はとても多い。それらが皆「専門的医療機関」となり、かかりつけ医からの紹介状がないと定額負担が発生するってこと?

 実はこれは同時に「かかりつけ医は眼科耳鼻科以外は全部診ないとダメッスヨ」ということにもなる。

 ゲゲゲ。患者にとってかかりつけ医は眼科耳鼻科以外は全部診てくれるありがたい存在となるらしい。かかりつけ医の定義が変わってしまうのだ。

 現在、日本の医師免許はスーパー免許だ。一度取得したら麻酔科以外どんな科目でも標榜できる。一方患者はフリーアクセスで、皮膚科でも整形外科でもどこでも自由にかかりつけ医と同じ自己負担で受診できる。財務省案は患者をまず「かかりつけ医」に誘導するということらしい。

 定額負担という患者負担を利用して、内科小児科の医師に眼科耳鼻科以外の全てを診察させようということになる。今までの「フリーアクセス」……これが根本から変わる時代が目の前に来ているのか。

連載の紹介

【臨床講座】ドキュメント皮膚科外来
患者はヒタイに病名を書いて来院するわけではない。検査結果を待ってじっくり診断する余裕もない。立ち合い勝負の無慈悲な診療科—それが皮膚科である。教科書に載っていない、皮膚科診療における思考過程を再現してみよう。

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