
(イラスト:HARU)
「うーん、診断がつかないな。これは何だろうな……困ったな」
外来で母親の不安げな顔。小児の皮膚の診察は、保護者の視線を全身で感じながら行う、緊張度が極めて高い瞬間だ。診断・治療に自信がなく、曖昧な説明しかできない場合、医師として忸怩たる思いだろう。
そこで今回からしばらく、「小児の皮膚疾患」についてクイズ形式で実践的に解説してみたい。
分かったつもりで分かっていない、小児の不思議な足病変
初回は、足の病変。「足にポツポツ何かができている」と保護者からの訴えがあった場合だ。
「足に何かができている」と訴えられた場合に、外来でよく遭遇する代表的疾患の症例写真を以下に掲載する。さて、ここで、単なる「写真合わせ」ではつまらない。これらの写真の「診断」と、「ひょっとしたらこの病気もありうる」という「鑑別診断」を少なくとも1つ挙げていただきたい。
【解答例】診断:足白癬、鑑別診断:カンジダ症あるいは汗疹
では、早速見ていただこう。