皮膚科を標榜すると、手荒れ(手湿疹)の患者が実に多い。前回は「手荒れ」のように見えるけれども実は他の疾患、しかも感染症だった、というお話。今回は、感染症はなんとか否定できた、いわゆる「普通の湿疹」だった場合の話をしよう。
普通の手湿疹では、定番治療、つまり、ステロイド外用で炎症を抑制し、ハンドクリームの頻回な使用でスキンケアをしっかり行う。「これで解決するはず!」…ところが、現実はそう甘くない。
「先生のお薬、塗ったけど効きませんでした」
患者からそう言われることがある。つまり「ステロイド外用で治らない、不満を訴える患者」がヤマほどいることを思い知らされる。
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著者プロフィール
中村健一(ドクターケンクリニック院長)●なかむら けんいち氏。信州大医学部卒。宇治徳洲会病院、北里大皮膚科、聖路加国際病院皮膚科を経て、1993年におゆみの皮フ科医院を開業。2018年に移転、医院名を変更。著書に『診療所で診る皮膚疾患』『診療所で診る子どもの皮膚疾患』(いずれも日本医事新報社)など。

連載の紹介
【臨床講座】ドキュメント皮膚科外来
患者はヒタイに病名を書いて来院するわけではない。検査結果を待ってじっくり診断する余裕もない。立ち合い勝負の無慈悲な診療科—それが皮膚科である。教科書に載っていない、皮膚科診療における思考過程を再現してみよう。
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