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【第1回】
ステロイド外用に反応しない強烈な痒み

2011/04/07

(イラスト:HARU)

本日の症例は、20代男性、「かゆみ」で受診。

「どうしましたか?」

「先生、痒くてたまらないんです・・・」

はて?

ふと診ると上腕に痒疹が散布している。痒疹とは痒い丘疹のこと。皮膚科ではよくある。

ああ、この患者さん、ストレスがあるのかな? 睡眠不足か、仕事が残業続きで疲れ切っているんだろうか? ステロイド外用、マイザー軟膏(一般名ジフルプレドナート軟膏)クラスのちょっと強いヤツを処方すればよいだろう。

「ではステ・・・」

「ステロイド外用ですか? してましたよ。たくさん使っていました。でもダメです。治らないんです。どんどん痒みが広がる。先生、どうにかしてください!」

ゲゲッ! ステロイド外用を既に行っていたのか! それもかなり強力なレベルを使用していたらしい。これはマズイ! 単なる湿疹皮膚炎ではない。どうすれば・・・? どのような疾患を考えるべきか?

ステロイド外用が無効で痒みが激しい場合、皮膚科医は反射的にこう考える。

(1)ステロイド外用のレベルが軽すぎて炎症を抑制していない
(2)白癬その他などによる感染症
(3)ステロイドそのものの接触皮膚炎
(4)蕁麻疹
(5)そもそもステロイド外用などは無効の膠原病、特殊な自己免疫性疾患、まれな難治性疾患

さて、症状を診る。
四肢に痒疹。手掌と指の間に僅かな丘疹鱗屑を認める。

連載の紹介

【臨床講座】ドキュメント皮膚科外来
患者はヒタイに病名を書いて来院するわけではない。検査結果を待ってじっくり診断する余裕もない。立ち合い勝負の無慈悲な診療科—それが皮膚科である。教科書に載っていない、皮膚科診療における思考過程を再現してみよう。

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