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SLE、CKD、肥満症に新ガイドライン 出るのはココ!

2019/08/14
長門 直(中国中央病院 内科部長)

 中国中央病院の長門です。今回は、膠原病、アレルギー、腎臓、内分泌、代謝の5領域について最近の知見と出題が予想されるポイントを、前回同様に述べていきたいと思います。

【膠原病】
 膠原病の領域では、2019年2月に本邦で初めて全身性エリテマトーデス(SLE)の診療ガイドラインが発表となりました。5月に日本リウマチ学会員のみ閲覧可能となり、今秋に出版が予定されています。

 このガイドラインは、最新の知見に基づき、SLEの各病態や合併症に対する治療に関して細かく記載されているのが特徴です。とりわけ、ループス腎炎の寛解導入・寛解維持に使用される薬剤とその組み合わせが、ISN/RPS分類クラス別に細かく記載されています。ただし、総合内科専門医試験ではそこまで詳しくは問われず、「ループス腎炎に対して推奨されている薬剤はどれか」といった形で出題されると予想しています。

 全身性エリテマトーデス(SLE)の診断はACR分類基準もしくはSLICC分類基準を参考に総合的に行うこと、疾患活動性評価は自己抗体(特に抗dsDNA抗体)、補体、免疫複合体を用いて行うこと、網膜症状は急性活動性病変として重要であることなども、このガイドラインに記載されています。

 そのほか、日本から報告された疾患であるIgG4関連疾患からシェーグレン症候群が現在外れていることは覚えておきましょう。以前、シェーグレン症候群はIgG4関連疾患の1つと考えられていたので、知識のアップデートがしっかりできているかを確認するために出題される可能性があります。

 また、抗核抗体別の臨床所見も頻出ですので、しっかり確認しておくべきです。抗MDA5抗体と抗RNAポリメラーゼⅢ抗体がとりわけよく出題されていますので、確認しておいてください。

【アレルギー】
 アレルギーに関しては、「アレルギー総合ガイドライン2019」が2019年6月に上梓されています。12アレルギー疾患の最新のガイドライン・知見を含んだものとなっており、成人喘息・食物アレルギー・アナフィラキシーといった内科で診る疾患も含まれています。
 
 ポイントとしては、(1)12歳以上の難治性喘息を適応としてデュピルマブが2019年3月に保険適用になったことを受けて、成人喘息の治療ステップにデュピルマブが追加されていること、(2)これまでα受容体遮断作用を有する抗精神病薬服用中のアドレナリン投与は禁忌でしたが、アドレナリン自己注射薬(エピペン)は禁忌から削除され、ボスミンは禁忌としない旨が追記されていること、でしょう。

 アレルギーの領域は、総合内科専門医試験で出題される頻出ポイントはほぼ決まっています。ダニ・スギアレルギーの舌下免疫療法の適応(とりわけ気管支喘息患者と妊婦の場合)、アナフィラキシーに対するアドレナリン投与、運動誘発性食物アレルギーのアレルゲンと対応、口腔アレルギー症候群(OAS)を起こすアレルゲン、クインケ浮腫の原因と治療がポイントとして挙がります。しっかり押さえておいてください。

【腎臓】
 「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018」が2018年6月に発行されました。検診で尿蛋白1+以上、65歳以上でeGFR45未満は専門医紹介、ステージG3a・A1では40歳未満は専門医紹介、40歳以上はかかりつけ医が診療を継続、と紹介基準が若干変更されています。

 また、本ガイドライン内で、糖尿病性腎症に加え、非典型的な糖尿病関連腎疾患を含む糖尿病に関連するCKDとして「DKD」が提唱されています。尿中アルブミンの測定、浮腫を伴うDKD患者へのループ利尿薬投与、HbA1c7.0%未満、集約的治療が推奨されていることも注目すべき点です。

 ガイドラインには、CKD患者が妊娠中に使用できる降圧薬に関しても明記されています。妊娠週数に関係なく、メチルドパ、ラベタロール、ヒドララジンが投与可能です。妊娠20週以降であればニフェジピンも使用できます。妊娠が判明した時点でRA系阻害薬は使用しないことも記載されています。

 このガイドラインでは、糖尿病合併の有無・尿蛋白の有無・年齢で降圧目標が定められていますが、2019年4月に発行された「高血圧治療ガイドライン2019」で厳格降圧治療が推奨されたこともあり、記載が異なっている部分もありますので、注意する必要があります。また、膠原病腎の糸球体病理所見と自己抗体について、多発性嚢胞腎の診断・合併症・治療、電解質異常の治療などもよく出題されています。

著者プロフィール

長門 直(中国中央病院 内科部長)●ながと ただし。1995年九州大学卒業。総合内科/内科救急と感染症診療を中心に各地基幹病院で臨床研鑽を積み、聖マリア病院 総合診療科診療部長を経て、2018年4月 より現職。 過去の専門医試験問題を綿密に分析。受験者向けの講義、番組などで使用する予想問題は高い的中率を誇る。

連載の紹介

総合内科専門医試験 「一発合格」への道
第一線の臨床医でありながら、総合内科専門医試験、認定内科医試験の対策を独自に研究してきた長門氏。臨床医学チャンネルCareNeTVの「総合内科専門医試験 MUST」は、的確な予想問題で大好評を博した。自身の合格体験も踏まえ、万全の試験対策を伝授する。
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