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3万円を無駄にするな!確実に合格する勉強法

2019/06/10
長門 直(中国中央病院 内科部長)

 こんにちは。中国中央病院の長門直です。今回は昨年度試験の振り返りと、今年度試験の勉強法について、具体的な教材を挙げながら書いていきたいと思います。

 まず、昨年の試験の結果です。申込者数5768人、受験者数4936人、欠席者数832人(欠席率14.4%)、合格者数3559人で、合格率72.1%となっています。

 総合内科専門医試験の特徴の一つとして、欠席者数の多さが挙げられます。2016年は受験申込者数8677人、受験者数7731人で欠席者数946人(欠席率10.9%)、2017年は受験申込者数8183人、受験者数7283人で欠席者数900人(欠席率11.0%)と、例年、出願者10人当たり1人以上の欠席者が出ています。そして昨年度は、欠席率がさらに上昇したことになります。

 患者の急変があった、入院主治医として重症患者を担当して病院を離れられなかった、といった職務上の都合で欠席した先生方も一定数はいるでしょう。しかし、試験直前に準備不足を感じ、合格レベルに到達していないという諦めから、自己判断で受験会場に行かなかった、という先生もかなりいるようです。

 受験料3万円とかなりの費用がかかる試験であることを考えれば、これは異常な数字ですが、地方の先生だと往復の交通費とホテル代でより一層の負担となりますので、直前に断念される方も多いのでしょう。日本内科学会は、措置的試験はあと2回しか行わないと公表しています。3万円を無駄にしないためにも、出願したからにはしっかり準備して、ぜひ今回の試験で合格を決めてほしいと願います。

「セルフトレーニング問題集1・2」は古いので使わない
 さて、勉強法については昨年もこの連載で書いていますが、新しい教材も出ていますので、最新情報を踏まえて、どの教材をどのように使えばよいか、改めて整理していきます。

(1)日本内科学会『認定内科医試験・総合内科専門医試験 過去問題集第1集・第2集

 従来、総合内科専門医試験の問題は試験後も公開されていませんでしたが、2017年に学会から公式の過去問題集が発売されました。2019年には第2集が出版されています。

 一般/臨床/up to dateすべて含んでいますが、全問収載されているわけではなく、6割前後のカバー率となっています。第2集は、2018年の250題から144題が掲載されています。1集・2集とも、一般・臨床が多く、up to dateがやや少ないです。過去に実際に出題された問題なので、これを解いておくことは試験合格のための最低条件だと考えます。

 まず、勉強開始時に1度全問解いてみるとよいでしょう。得点率が65~70%なければまだ合格ラインには到達していないということです。この過去問題集には得点率の低い難しい問題はあまり収載されていませんし、up to date問題も少ないので、過去問集における65~70%の得点率が実際の試験の合格に必要な得点率60%前後に相当すると考えられます。ただし、第1集は解説がなく、第2集は簡単な解説しかついていないので、周辺知識の整理には他の教材を用いる必要はあります。

 また、この問題集には、認定内科医試験の過去問も収載されており、総合内科専門医試験を受験する先生方は、すでにクリアしている試験ですが、現在のレベルをチェックするのによいかもしれません。認定内科医試験の問題は、初見で9割前後正答できなければ、かなりの勉強が必要な状態と考えましょう。傾向と現在の実力を把握するという意味で、最初に手をつけておく教材と言えるでしょう。

(2)日本内科学会『生涯教育のためのセルフトレーニング問題集3・4集

 一般/臨床/up to dateすべて含んでいますが、臨床問題が多い印象です。総合内科専門医試験を受験するほぼすべての先生が解いていると思います。実際の試験問題に近い出題内容ですので、試験の感覚をつかむのに非常に有用ですが、ガイドラインがおおよそ5年間隔で改訂されていることを踏まえると、2015年に出版された第3集と2018年に出版された第4集のみでよいと考えます。

 第1集と第2集の掲載問題を見ると、現在の診断基準や治療方針と不整合のある部分が多々あり、これを使って勉強するとかえって混乱するリスクがあり、お勧めしません。正直なところ、第3集でさえやや古さを感じますので、第4集は必ず解いておき、時間があれば第3集も解いてみるといったスタンスでよいかもしれません。

(3)日本内科学会『生涯教育のセルフトレーニング問題(学会申し込み分)』 2018~2019年分

 こちらは教材としては販売されていません。学会が有料(2000円)で毎年6~9月に配布する50問で、(2)の問題集と形態は同じですが、up to date対策はこれを使用して勉強するのが有効です。『生涯教育のためのセルフトレーニング問題集3・4集』に2017年までのものは収載されていますので、2018年/2019年の2年間分でよいかと考えます。ただし、12月にならないと解答と解説が確認できないため、2019年度分は自分で正解とその根拠を調べていく作業が必要になります。

 2018年分が手元になければ、周囲の先生からまず入手し、2019年分はもうそろそろ申込の案内が来ますので、申し込んでおくとよいでしょう。

著者プロフィール

長門 直(中国中央病院 内科部長)●ながと ただし。1995年九州大学卒業。総合内科/内科救急と感染症診療を中心に各地基幹病院で臨床研鑽を積み、聖マリア病院 総合診療科診療部長を経て、2018年4月 より現職。 過去の専門医試験問題を綿密に分析。受験者向けの講義、番組などで使用する予想問題は高い的中率を誇る。

連載の紹介

総合内科専門医試験 「一発合格」への道
第一線の臨床医でありながら、総合内科専門医試験、認定内科医試験の対策を独自に研究してきた長門氏。臨床医学チャンネルCareNeTVの「総合内科専門医試験 MUST」は、的確な予想問題で大好評を博した。自身の合格体験も踏まえ、万全の試験対策を伝授する。
「一発合格」のための実践オンライン講座
『長門流 総合内科専門医試験MUST!2018』好評配信中

この連載の著者である長門直先生による、総合内科専門医試験対策講座がCareNeTVでオンデマンド配信されています。内科全領域で過去に出題された内容、今年出題されそうなトピックをクイックに解説。昨年度試験以降の新薬承認、ガイドライン改訂などにも対応しており、up to date問題対策にとくに有用です。ぜひ「一発合格」にご活用ください。

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