日経メディカルのロゴ画像

不合格にならない病歴サマリーの書き方

2018/03/21
長門 直(中国中央病院 感染症内科部長)

 現在の総合内科専門医試験受験者は、病歴要約いわゆる病歴サマリーの提出が免除された「措置的受験」組が大半ですが、キャリアの浅い先生を中心に、移行措置の対象にならず「従来どおりの受験」をしなければならない先生もいます。2018年度の試験に関しては、2018年3月31日までに認定内科医資格を更新していない先生は、「従来どおりの受験」組となり、病歴サマリーを提出する必要があります。

 第3回は、そんな先生方のために、病歴サマリーの書き方、またその評価のシステムについて述べていきたいと思います。なお、措置的受験は少なくとも2020年度まで実施されることになっていますが、それ以降に「新・内科専門医」を受験される方は、当然、病歴サマリーの提出が求められることになりますので、ぜひポイントを知っておいてください。

指導医にチェックしてもらう期間を見積もる
 病歴サマリーを作成する際にまずやることは、内科学会が指定している領域をすべてカバーしているか確認することです。認定内科医の時とは必要領域の構成が少し異なっていますので注意しましょう。また、認定内科医に使用した症例は重複して使用できないので、そこにも注意が必要です。新・内科専門医制度では、症例数はさらに増える予定ですので、しっかり確認しておいてください。

 次に、作成にかかる期間の目安です。病歴サマリーの作成そのものに2~3週間。その後、指導医や施設指導者によるチェックを受けるのに1~2週間。さらに、トラブル等の対応のために1週間の余裕をとって、4~6週間はみておいた方がいいでしょう。総合内科専門医やベテラン内科医で病歴要約の評価の要諦を知っている指導医などによる事前チェックは必須だと考えます。総合内科専門医試験の出願締め切りは4月末ですので、3月中旬には遅くとも開始しておきましょう。恥ずかしながら、筆者は3月中旬から開始して、提出は締め切りギリギリでした。

 さて、受験するみなさんが一番関心があるのは、このように作成され提出された病歴サマリーが実際にどのように評価され、どう合否に影響しているのか、ではないでしょうか。

 評価は、1次評価者→2次評価者→学会での最終判定の順で進んでいきます。評価者の名前は、1次、2次とも日本内科学会雑誌の議事録に掲載されているので確認することができます。1次評価者は市中基幹病院の30~40代の医長または大学病院の講師・助手クラスが多い印象で、2次評価者は主に基幹病院の院長・副院長または大学教授が担当されています。

 こうしたダブルチェックのシステムをとっているのは、知識と経験の不十分さから1次評価者が間違った評価をしないようにするためでしょう。そして、このシステムは、受験者に加えて1次評価者までもが、2次評価者によって評価されることを意味しています。当然、1次評価者も真剣になります。ですから、受験者は、1次評価から厳格に採点されることになります。

 病歴サマリー評価はA/B/C/Fの4つで、A/B/Cは合格、Fは不合格です。毎回、F判定も一定数出ていますので、これから述べるポイントを押さえて、落とされない病歴サマリーをしっかり仕上げてください。

 余談ですが、総合内科専門医試験の病歴サマリーでA評価を頂くと、次回以降、日本内科学会から1次評価者に推薦されるようです。また、「措置的受験」組よりも、病歴サマリーを提出する「通常どおり受験」組が優遇されるというウワサがありますが、これは、あくまでウワサであって、実際にはそうした配慮はないようです。

著者プロフィール

長門 直(中国中央病院 内科部長)●ながと ただし。1995年九州大学卒業。総合内科/内科救急と感染症診療を中心に各地基幹病院で臨床研鑽を積み、聖マリア病院 総合診療科診療部長を経て、2018年4月 より現職。 過去の専門医試験問題を綿密に分析。受験者向けの講義、番組などで使用する予想問題は高い的中率を誇る。

連載の紹介

総合内科専門医試験 「一発合格」への道
第一線の臨床医でありながら、総合内科専門医試験、認定内科医試験の対策を独自に研究してきた長門氏。臨床医学チャンネルCareNeTVの「総合内科専門医試験 MUST」は、的確な予想問題で大好評を博した。自身の合格体験も踏まえ、万全の試験対策を伝授する。
「一発合格」のための実践オンライン講座
『長門流 総合内科専門医試験MUST!2018』好評配信中

この連載の著者である長門直先生による、総合内科専門医試験対策講座がCareNeTVでオンデマンド配信されています。内科全領域で過去に出題された内容、今年出題されそうなトピックをクイックに解説。昨年度試験以降の新薬承認、ガイドライン改訂などにも対応しており、up to date問題対策にとくに有用です。ぜひ「一発合格」にご活用ください。

CareNeTVは月額5000円(税別)で、臨床スキルアップに役立つ1600以上の番組がいつでも見られるオンデマンド臨床医学チャンネルです。「MUST!2018」以外の試験対策番組、臨床講座等もすべてご覧いただけます。

この記事を読んでいる人におすすめ