日経メディカルのロゴ画像

いつから、何を使って、どれくらい勉強する?

2018/02/21
長門 直(中国中央病院 感染症内科部長)

 第2回目は、いよいよ勉強法について書いていきます。

 受験する先生方から聞かれることが多いのは、1) いつから、2) 何を使って、3) どれくらいの時間をかけて勉強すればよいのか ということです。これを順番に説明していきます。

 まず、1) いつからですが、早くから始めるに越したことはありませんが、遅くとも5月中には開始するべきだと考えます。試験日が9月初旬ですので、期間で言えば最低3~4カ月はかけるのが望ましい、ということになります。

 その根拠は、合格された先生方に聞いたところ、大半は5月中には勉強を始めていたからです。逆に、6月以降に勉強を開始した先生の合格率は低かったように思います。私自身は、「従来どおりの受験」(病歴要約の提出あり)で受験しましたが、やはり5月のゴールデンウイーク明けには本格的に勉強し始めていました。

まず学会発行の「過去問集」を解いて現在の実力を確認
 次に、2) 何を使って勉強するか、つまり使用教材についてです。

 総合内科専門医試験は、分野別に 一般/臨床/up to date に分かれています。この3分野すべてで一定以上の得点がないと合格できませんので、3分野を網羅するように勉強することが大切です。

 以下に、筆者が実際に使用した、もしくは周囲の評価が高かった教材を挙げていきます。

(1)日本内科学会『認定内科医試験・総合内科専門医試験 過去問題集』 従来、総合内科専門医試験の問題は試験後も公開されていませんでしたが、2017年に学会から公式の過去問題集が発売されました。

 一般/臨床/up to dateのすべてを含んでいますが、全問収載されているわけではなく、6割前後のカバー率となっています。分野の中で、一般と臨床が多く、up to dateがやや少ない感じです。過去に実際に出題された問題なので、これを解いておくことは試験合格のための最低条件だと考えます。

 まず、勉強開始時に一度、全問を解いてみるとよいでしょう。得点率が65~70%なければまだ合格ラインには到達していないということです。この過去問題集には得点率の低い難しい問題の収載は少ない傾向があり、過去問集における65~70%の得点率が実際の試験の合格に必要な得点率60%前後に相当すると考えられます。

 また、解説はありませんので、この問題集で不明な点は他の教材やインターネット等で調べる必要があります。

(2)日本内科学会『生涯教育のためのセルフトレーニング問題集 1~3集』 一般/臨床/up to dateのすべてを含みますが、臨床の分野が多い印象です。総合内科専門医試験を受験するほぼすべての先生が解いていると思います。とりわけ第3集は必須です。

 実際の試験問題に近い内容ですので、試験の感覚をつかむのに非常に有用です。ただし、最新の第3集でも2015年4月の刊行であることに注意する必要があります。

 というのも、それ以降の診断基準や治療方針の変更に対応していないため、現在の診断基準や治療方針と整合していない部分が多々あるからです。解説を読みながら、各疾患についてup to dateがないか確認していく作業を行わなければなりません。

(3)日本内科学会『生涯教育のセルフトレーニング問題』(学会申し込み、2015~2018年分) こちらは教材としては販売されていません。学会が毎年6~9月に有料(2000円)配布する50問です。(2)の問題集と形態は同じですが、(2)の内容が古いため、up to date対策ではこれを使用して勉強するのが有効です。ただし、12月にならないと解答と解説が確認できないため、2018年分は自分で調べていく作業が必要になります。

 可能であれば、ここまではやっておきたいところです。2015~2017年の3年分が手元になければ、周囲の先生などから入手し、2018年分は学会に申し込むのがよいと考えます。日本内科学会員にはメールで案内が送られてきますし、学会ホームページから申し込むこともできます。

(4)日本内科学会「認定内科医資格認定試験 過去の問題」 日本内科学会誌の3月号には毎年、その年度の認定内科医試験問題から抜粋した50問が掲載されていましたが、2017年に過去問題集が出版されたのを受けて、2016年を最後に掲載されなくなりました。

 総合内科専門医試験を受験する先生方にとっては、既にクリアしている試験ですが、現時点の自分のレベルをチェックするのにはよいかもしれません。過去5年分を解いてみて、初見で9割前後正答できなければ、かなりの勉強が必要と考えましょう。ただし、内容が古くなっているものもあるので、注意してください。

(5)ほかの内科学会出版物 時間的に余裕があれば、解いてみる程度でよいと思います。ただし、JMECCに関する出題が毎回、複数題出題されますので、JMECCのコアエッセンスは『内科救急診療指針2016』で押さえておくべきでしょう。

著者プロフィール

長門 直(中国中央病院 内科部長)●ながと ただし。1995年九州大学卒業。総合内科/内科救急と感染症診療を中心に各地基幹病院で臨床研鑽を積み、聖マリア病院 総合診療科診療部長を経て、2018年4月 より現職。 過去の専門医試験問題を綿密に分析。受験者向けの講義、番組などで使用する予想問題は高い的中率を誇る。

連載の紹介

総合内科専門医試験 「一発合格」への道
第一線の臨床医でありながら、総合内科専門医試験、認定内科医試験の対策を独自に研究してきた長門氏。臨床医学チャンネルCareNeTVの「総合内科専門医試験 MUST」は、的確な予想問題で大好評を博した。自身の合格体験も踏まえ、万全の試験対策を伝授する。
「一発合格」のための実践オンライン講座
『長門流 総合内科専門医試験MUST!2018』好評配信中

この連載の著者である長門直先生による、総合内科専門医試験対策講座がCareNeTVでオンデマンド配信されています。内科全領域で過去に出題された内容、今年出題されそうなトピックをクイックに解説。昨年度試験以降の新薬承認、ガイドライン改訂などにも対応しており、up to date問題対策にとくに有用です。ぜひ「一発合格」にご活用ください。

CareNeTVは月額5000円(税別)で、臨床スキルアップに役立つ1600以上の番組がいつでも見られるオンデマンド臨床医学チャンネルです。「MUST!2018」以外の試験対策番組、臨床講座等もすべてご覧いただけます。

この記事を読んでいる人におすすめ