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呼吸器専門医は見た!こんな現場、あんな質問

第2回
COPD患者の紹介状に書くべき身体所見とは

2015/07/24
長尾大志(滋賀医科大学呼吸器内科)

 「紹介状を見ても、紹介元で診断された病名は見ず、自分で病名をつけなさい」。これは、研修医や学生によく指導していることです。これは若手に診断を一から考える習慣を付けさせるという目的ももちろんあるのですが、紹介元で付けられた「診断名」に間違いが多いのも理由の一つになります。もちろん、今の病態では診断が付かない、という理由で大学病院に紹介されているため、結果的に診断名が違っていたというのは仕方がないのですが、既往歴を見ただけで「あれ?これって?」と思う病名が付いていることが時々あります。

 例えば、何度か測定した血圧が高い=高血圧、という診断はある意味簡単です。血糖値がある基準を超えていたら糖尿病、これもまあ間違いはありません。もちろん、細かい診断や治療に関わる鑑別となると専門医ならではの判断が必要になりますが、循環器や代謝領域のコモンディジーズかどうかといったある程度の判断であれば、誰にでもできます。

 ところが呼吸器疾患のコモンディジーズは、そうはいかないことがしばしばあります。例えば、喫煙歴がないにもかかわらず、COPDの既往があると紹介された冒頭のような事例です。

 専門医からすると、非喫煙者の既往歴にCOPDと記載されていた時点で、その鑑別は適切ではないのでは?と疑うきっかけとなります。今回は、非専門医の先生方が呼吸器診療の専門医に紹介する前に、COPDかどうかをある程度判断するためのポイントをご紹介します。

著者プロフィール

長尾大志(滋賀医科大学呼吸器内科)●ながお たいし氏。1993年京都大学卒。京都大学胸部疾患研究所で初期研修。住友病院、ブリティッシュコロンビア大学留学などを経て、2005年より現職。11 年から始めた自身のブログ「やさしイイ呼吸器教室」をベースにした書籍『レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室』を13年に刊行した。

連載の紹介

呼吸器専門医は見た!こんな現場、あんな質問
「呼吸器疾患の鑑別方法は?」「薬剤はどう使い分ける?」「どうなったら専門医に紹介すべき?」——。プライマリ・ケア医が抱くこうした疑問に、 紹介患者のエピソードを基に大学病院で診療する著者が答える連載です。非専門医に向けて明日から役立つ呼吸器疾患の診断・治療のコツを分かりやす く解説します。

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