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なぜ院内感染対策をしなくてはいけないのか

2016/08/24
森兼啓太(山形大学医学部附属病院感染制御部・検査部)

 皆さん、はじめまして。山形大学病院で感染対策を担当している森兼と申します。これからおよそ半年を掛け、院内対策に関する連載を担当することになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

 さて「院内感染」と聞いて、みなさんが真っ先に思い浮かべるのは、薬剤耐性菌やインフルエンザ・ノロウイルスなどによる感染症の集団発生ではないでしょうか。しかし、件数として圧倒的に多いのはこのような集団発生による院内感染ではなく、日常的に発生する「ありふれた院内感染」です。一般のメディアは、世間の注目を集めやすい、ニュースバリューのある事例を取り上げて報道しがちですから、その影響を医療従事者も受けてしまっているのではないかと思われます。

 さて、米国にある感染症およびその対策の「総本山」とも言われる、疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention, CDC)が2011年に調査を行っています。米国全体の院内感染数は約71万件と推定されていて、肺炎や手術部位感染、血流感染、消化管感染症、尿路感染が上位にランクしています(図1)。

著者プロフィール

森兼啓太(山形大学医学部附属病院教授、検査部・感染制御部部長)●もりかねけいた氏。1989年東京大学卒。消化器外科医として勤務するうちに感染制御に関心を持つようになる。国立感染症研究所を経て2010年より現職。

連載の紹介

わかる!院内感染対策
針刺し切創、カテーテル関連血流感染、カテーテル関連尿路感染、周術期の手術部位感染、多剤耐性緑膿菌など、院内感染に関して知っておきたい最低限のトピックスを、日本環境感染学会教育委員会委員長を務める森兼啓太氏が紹介します。基礎からの解説なので、院内感染対策に興味がない医師や、これから院内感染を学びたいと思っている医師にもピッタリです。

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