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「聞かれれば説明したけど」では通りません

2018/06/20
森井大一

 ここまでお付き合いいただいた読者(特に医療者)の中には、「必要性はわかるが、こっちも暇じゃないんだ」という思いを持たれる方も少なくないだろう。「添付文書では再使用禁止と書かれていますが、当院では院内再生処理したものを再使用します」と患者に丁寧に説明するというプラクティスの実現を本気で提案するなら、それに伴うお金の問題を考えなければならない。

 今回からは、説明によって発生するお金の問題を含めた再使用問題の経済的側面について考えてみたい。今まで医療機関における経済的問題(参考記事「医療機器の再使用の経済性を丁寧に考えてみる」)や患者の選好という名の市場機能(参考記事「市場の見えざる手は単回使用医療機器の再使用についても働くのか?」)について検討してきたが、もう少し医療全体を俯瞰して経済的に考えてみようと思う。経済学の教科書からの引用が多少あるが、一医療者の立場から予備知識なしでも理解できるように書いたつもりなので、お付き合いいただきたい。

著者プロフィール

森井大一(もりい・だいいち)●大阪大学大学院医学系研究科博士課程。2005年3月大阪大学医学部卒業、同年4月国立病院機構呉医療センター、2010年大阪大学医学部附属病院感染制御部、2011年米Emory大学Rollins School of Public Health、2013年7月厚生労働省大臣官房国際課課長補佐、2014年4月厚生労働省医政局指導課・地域医療計画課課長補佐、2015年4月公立昭和病院感染症科を経て今に至る。2018年から阪大病院の感染制御部医員も兼務。

連載の紹介

森井大一の「医療と経済と行政の交差点」
救急医として医師のキャリアをスタートさせた後、感染制御に越境し、公衆衛生を学んだ上で、厚生官僚を経験。現在はノーベル賞受賞で話題の行動経済学を医療に応用すべく研究を進める筆者に、 医療と経済と行政が交わる地点に立って思いの丈を語っていただきます。

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