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第18回
主訴<頭痛>の救急患者への対応法

2018/10/19
望月 礼子(鹿児島大学病院救命救急センター)

 今回から主訴<頭痛>シリーズです。読者の皆さんは、主訴<頭痛>の鑑別疾患をどのように頭の中で整理していますか。確認したいレッドフラッグは何でしょう? 成人における内因性疾患の想定で、今から5分間で鑑別疾患を書き出してみてください。5分間は救急車到着までの時間を想定して設定したタイムリミットです。まずアウトプットしてから、インプットすると学習効果が高いことが分かっています。では書き出し、スタート!

※レッドフラッグは「見逃してはいけない疾患を示唆する徴候や症状」を意味します。主訴ごとのレッドフラッグを想起することが、診療の第一歩です。


 さて、とある日、救急医局での様子です。

研修医リンリン 先生、主訴<頭痛>の二次元鑑別シートを書きました。4人そろったので振り返りをお願いします。

救急医M はい!リンリンは毎日頑張っているね!

研修医 来月から市中病院の救急研修に行くので、リストにある主訴を全部やっていきます。これを知って本当に良かったです!

救急医M よーし、特訓だ!

 ということで、4人がそれぞれ書いた主訴<頭痛>の二次元鑑別シートを見比べながら、各自がどのように鑑別を挙げ、疾患ごとに重要なレッドフラッグは何を考えるかについて討論してもらいました。後日、4人の鑑別疾患とレッドフラッグの集計を作ったので図1に示します。

図1 研修医が挙げた主訴<頭痛>の鑑別疾患とレッドフラッグ カッコ内の数字はそれを挙げた研修医の人数を表す(n=4)。この図の見方は図2を参照。(※クリックで拡大表示されます)

著者プロフィール

望月礼子(鹿児島大学救命救急センター・奄美プロジェクト特任講師)●もちづきれいこ氏。2007年大分大卒。自治医科大学附属病院の初期研修で臨床推論の奥深さに触れ、疾患の宝庫である救急へ。今後の夢は、緊急度・重症度の評価で重要な「レッドフラッグ」を救急隊や離島医療、一般市民に広めること。南極で皇帝ペンギンと語り合うこと。救急科専門医。

連載の紹介

患者到着前から始まるエマージェンシー臨床推論
時間との闘いである救急医療は患者到着前、すなわち救急隊からの病院連絡時から始まる。救急隊の情報を基に原因疾患を臨床推論し、患者到着と同時に適切な対応を提供する--。この目標を達成するために必要となる「救急ならではの思考プロセス」を、救急医の望月氏が独自作成した「二次元鑑別リスト」で見える化する。

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