「この3月に大学を卒業し、4月に就職したが、何となく会社に合わない感じがしていた。6月初旬からは気分が晴れず、元気も出ない。6月下旬に近所の精神科クリニックに行ったら、10分程度の面接で、適応障害のうつ状態と言われ、抗うつ薬を処方された。本当にこの病名でいいのか? ストレスが取れるだけでも違ってくると思うが、薬を飲んでいいのか」――。7月初めに、こう訴えて来院した若い男性を診た。最近、「適応障害」という病名の使い方が気になっている。
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著者プロフィール
宮岡等(北里大学医学部精神科学主任教授)●みやおかひとし氏。慶應義塾大学卒。東京都済生会中央病院精神科、昭和大学精神科を経て1999年から現職。2015年7月から2020年3月まで北里大学東病院院長(兼務)、2017年7月から2019年6月まで神奈川県医師会理事。2020年4月から北里大学病院長補佐を兼ねる。

連載の紹介
宮岡等の「精神科医のひとりごと」
精神疾患患者の増加に伴い、精神科診療に関わる医療従事者は今後ますます増えていきます。精神科医はもちろん、精神科以外の医療従事者にも知っておいてほしい精神医療の現状や課題を、筆者が伝えます。
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