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【連載第10回】
吸入ステロイド薬の全身的副作用は

2006/09/18

 吸入ステロイド薬全身的副作用の少ない薬剤として知られているが、ステロイドということで不安を持っている医師や患者は少なくない。特に患者は、「ステロイド=副作用」という悪いイメージを持っていることがあるので、使用に当たっては、初診時に「吸入ステロイド薬はなぜ副作用が少ないのか」「吸入ステロイド薬の副作用にはこんな症状がある」ということを十分説明することが重要となる。

吸ステの全身的副作用は非常に少ない
 吸入ステロイド薬の副作用が少ない理由の第一は、使用するステロイドの量が非常に少ない量であるということだ。経口ステロイド薬の1回使用量はミリグラム単位であるのに対して、吸入ステロイド薬の1回使用量はマイクログラム(1/1000ミリグラム)単位だ。

 第二には、吸入されたステロイド薬のうち、全身に吸収されるのはごく微量であることだ。図1に示すように、吸入されたステロイド薬の45~85%は口腔・消化管に入り、15~55%は肺に入る。このうち、口腔に入った吸入ステロイド薬はうがいでほとんど除去され、一部が消化管に入るが、消化管に入った吸入ステロイドも腸で吸収され、肝臓に送られて大部分が初回通過で不活性化される。肺に吸入されたステロイド薬は、多少、全身に吸収されることになるが、ごく微量であるためほとんど問題ない。

著者プロフィール

宮川 武彦(宮川医院院長)●みやがわ たけひこ氏。1969年東邦大卒。70年岐阜大医学部第一内科勤務。72年国立療養所岐阜病院(現国立病院機構長良病院)で喘息外来を担当。78年に岐阜市で宮川医院を開業。

連載の紹介

【臨床講座】喘息治療のツボ
過小評価しがちな喘息の診断のポイント、治療の中心となる吸入ステロイド薬とその併用薬の使い方、自己管理を成功させるための患者指導—。シンプルで効果的な喘息治療を進めるためのアドバイスをお届けします。

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