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【連載第7回】
吸入ステロイド薬はどのように選ぶか

2006/08/28

 連載第5回で記したように、吸入ステロイド薬には5種類あり、それぞれに特徴を持つ。この5種類の中からどの薬剤を選ぶかに一定の決まりはなく、選択は個々の医師の判断に委ねられる。そこで、当院ではどのような点を考慮しているのかを中心に、吸入ステロイド薬の選び方を述べてみたい。

簡便性と残量の分かりやすさを重視
 吸入ステロイド薬の選択に当たっては、吸う力が弱い患者への対応、治療効果、局所的副作用、簡便性、残量の分かりやすさなどの選択基準を考慮し、個々の患者に合ったものを選択することが望まれる。

 当院では、これらの選択基準のうち、特に簡便性と残量の分かりやすさを重視している。吸入ステロイド薬は毎日使用するため、簡便なものが良い。また、患者は残量が分かれば「どれくらい残っているのか?」という心配をしなくても済み、かつ、「少なくなったから、そろそろ病院へ行かなくては」と受診を促すことにもつながるからである。

 そのため、吸う力が十分にある患者には、簡便で残量が分かりやすいドライパウダー製剤を、吸う力が弱い患者(高齢者や乳幼児など)にはエアゾール製剤を使用することを原則としている。したがって、まず最初にドライパウダー製剤が吸えるかどうかを、メーカーが配布している吸入トレーナーかインチェック(吸気気速測定器具)を使って必ず確認するようにしている。なお、エアゾール製剤を使用する際は、吸入効率、局所的副作用の観点から、必ずスペーサーを使用するようにしている。

 ドライパウダー製剤で嗄声などの局所的副作用があった場合や、コントロールが不良な場合には、エアゾール製剤に変更するが、状況によって臨機応変にいろいろ変更することもある(図1)。

著者プロフィール

宮川 武彦(宮川医院院長)●みやがわ たけひこ氏。1969年東邦大卒。70年岐阜大医学部第一内科勤務。72年国立療養所岐阜病院(現国立病院機構長良病院)で喘息外来を担当。78年に岐阜市で宮川医院を開業。

連載の紹介

【臨床講座】喘息治療のツボ
過小評価しがちな喘息の診断のポイント、治療の中心となる吸入ステロイド薬とその併用薬の使い方、自己管理を成功させるための患者指導—。シンプルで効果的な喘息治療を進めるためのアドバイスをお届けします。

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