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TOPIC◎国立感染症研究所がオミクロン株の現状評価を公表
見えてきた日本のオミクロン株陽性者の背景
入院16例中、15例にワクチン2回接種歴

写真1 オミクロン株の電子顕微鏡写真(提供:国立感染症研究所)

 国立感染症研究所が2021年12月16日、4報目となるオミクロン株の現状評価を公表した。その中で、日本で確認されたオミクロン株感染例の観察結果も公表。入院患者16例のうち「無症状のまま継続」は4例で、残り12例は軽症で推移していることも明らかにした。また、初期の情報と前置きした上だが、オミクロン株の感染・伝播性は増加が示唆されているとの見解を示し、重症度への影響については症例数が少ないことから「評価は困難」との見方を示している。

 国立感染症研究所は11月26日、B.1.1.529系統に分類される変異株を「注目すべき変異株(VOI:Variant of Interest)」に指定。WHOがオミクロン株と命名し「懸念される変異株(VOC:Variant of Concern)」に指定したのを踏まえ、11月28日にはB.1.1.529 系統を懸念される変異株に変更し監視を強化した。オミクロン株の現状評価については、11月26日に第1報を公表して以降、11月28日に第2報、12月8日に第3報を発表し、それぞれの時点での知見と感染リスクの評価を示してきた。

 今回の第4報では、2021年12月15日19時点での日本で確認されたオミクロン株感染例を集約。12月15日までにオミクロン株感染の32例が確認されており、全員が海外からの帰国者や入国者だった(図1)。オミクロン株感染例の滞在国は、米国 9人、アラブ首長国連邦1人、英国4人、ナミビア3人、コンゴ民主共和国4人、ナイジェリア2人、ペルー1人、イタリア1人、モザンビーク1人、スリランカ1人、ケニア1人、ジンバブエ1人、タンザニア1人、レソト1人、複数国(ドイツ、スイス、英国)1人だった。

 年齢は10歳未満1人、20歳代6人、30歳代8人、40歳代8人、50歳代6人、60歳代2人、70歳代1例。性別は男性22人、女性10人で男性が多かった。

図1 2021年12月15日19時点での日本で確認されたオミクロン株陽性例(厚生労働省の発表データを基に編集部で作成)

著者プロフィール

三和護(日経メディカル編集委員)●みわ まもる。1984年筑波大学大学院医科学修士課程修了。同年日経BP入社。感染症や循環器領域をはじめ、診断エラー学、医師患者関係、心不全緩和ケアなど幅広いテーマに取り組む。共著に『期待されるシルバービジネス』(ダイヤ財団新書)『バイオバンクの展開』(上智大学出版)。

連載の紹介

三和護が迫る「COVID-19の核心」
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の全体像を俯瞰。COVID-19対応の問題点に迫り、その解決のために今、何をすべきなのかを考えます。

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