日経メディカルのロゴ画像

新型コロナ患者の第6波を振り返り、春の人事異動に憂う

2022/04/05
三浦和裕(三浦医院院長)

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が落ち着いてきて、当院も日常の診療風景に戻ってきた。忙しかったのは、発熱、感冒症状の患者が多かったためだが、診療そのものよりも書類作成により多くの時間を取られていたように思う。

 まず、「診療・検査医療機関」の指定を受けている診療所では、「医療機関等情報支援システム(G-MIS:Gathering Medical Information System)」を用いて、日々、発熱外来の受診者、検査実施人数を報告しなくてはならない。加えて、G-MISでは、週に1回、マスクや個人防護具(PPI)などの医療物品の確保状況も報告する。

 東京都には別のシステムが設けられており、日々、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検査数、陽性者数の報告が必要だ。陽性者が出れば、新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)を用いて発生届を書く。東京都の自宅療養者支援事業に参加していれば、自宅療養者についてもHER-SYSで報告する。モルヌピラビル(ラゲブリオ)などのCOVID-19治療に特化した薬を使えば、その報告書も必要だ。公費で診療した際は、症例ごとの報告書、加えて月次報告も要求されている。その他にも、初診から(再診のみは対象外)オンライン診療を行ったケースなどでも報告が必要だ。さらに、患者に頼まれれば、宿泊・自宅療養証明書も書く。

 当然だが、毎日カルテだって書く。

 情報通信技術が進歩しているんだから、どこか1つに報告(最高なのはカルテ入力のみ)するだけで、厚生労働省、都道府県、市町村区が必要な情報を抽出する仕組みって作れないものだろうかと、つくづく思う。異なる機関の異なる様式の報告書に、同じことを繰り返し入力する二度手間三度手間はこの時代において本当に労力をかけるべきものだろうか?

著者プロフィール

三浦和裕(三浦医院院長)◎みうら かずひろ氏。2004年帝京大卒。東京警察病院、聖マリアンナ医科大などを経て、2012年より現職。2017年より品川区医師会理事。日本プライマリ・ケア連合学会認定医、日本外科学会認定登録医、がん治療認定医。

連載の紹介

三浦和裕の「地区医師会感染症担当理事のホンネ(折々グチ)」
品川区医師会理事で、感染症も担当する三浦氏。普段、医師会では感染症関連の仕事は皆無だったのが、新型コロナの流行により、区内のPCRセンターの立ち上げなどに奔走し、いつの間にか、日々更新される新たな通知などを熟読し、医師会員向けに整理し直して発信する立場に。そんな三浦氏が、行政やら日本医師会、東京都医師会、学会からの膨大な情報を通読し、自身も発熱患者の診療の最前線に立つ中で感じたこと、疑問に思うこと(時々は愚痴も)を発信します。

この記事を読んでいる人におすすめ