40歳代男性、飲食店勤務のAさんが体調不良で来院した。診察後に「念のため(新型コロナの)検査をしますか?」と聞くと「いやいい。営業停止になったらたまんないよ!!」とのこと。
違う違う そうじゃ
そうじゃない
君を逃せない
愛は渡せない
(鈴木雅之『違う、そうじゃない』より)
これ、Aさんだけではない。皆さん勘違いしている。院内スタッフにCOVID-19患者が出たら業務停止になるといまだに勘違いしている医師もいるくらいだ。
もちろん、院内スタッフに感染者が出ても業務停止はあり得ないし(標準予防策ができていればスタッフが感染しても濃厚接触にはならない)、飲食店のスタッフに感染者が出ても、やっぱり営業停止にはならない。保健所が営業停止を求めるのは、食中毒発生時のみだ。そしてCOVID-19は食中毒ではない。
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著者プロフィール
三浦和裕(三浦医院院長)◎みうら かずひろ氏。2004年帝京大卒。東京警察病院、聖マリアンナ医科大などを経て、2012年より現職。2017年より品川区医師会理事。日本プライマリ・ケア連合学会認定医、日本外科学会認定登録医、がん治療認定医。

連載の紹介
三浦和裕の「地区医師会感染症担当理事のホンネ(折々グチ)」
品川区医師会理事で、感染症も担当する三浦氏。普段、医師会では感染症関連の仕事は皆無だったのが、新型コロナの流行により、区内のPCRセンターの立ち上げなどに奔走し、いつの間にか、日々更新される新たな通知などを熟読し、医師会員向けに整理し直して発信する立場に。そんな三浦氏が、行政やら日本医師会、東京都医師会、学会からの膨大な情報を通読し、自身も発熱患者の診療の最前線に立つ中で感じたこと、疑問に思うこと(時々は愚痴も)を発信します。
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