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発熱外来、薬局の協力なくして成り立たぬ

 12月10日、東京都から年末年始(12月29日から1月3日)に発熱外来を開いた場合、都独自の助成を行うとの連絡が入った。対象となるのは「診療・検査医療機関」に手挙げしている医療機関。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)陽性者数が急増する中、年末年始に発熱患者を受け入れる診療所を増やしたいのだろう。

 助成額は、なんと!4時間当たり15万円、その後は1時間当たり4万円弱が支給されるという。「診療・検査医療機関」に手挙げすれば、国から助成が出るし、診療報酬としても休日加算を算定できる。さらにその上に追加されるわけだ。

 通常、休日診療は予約制ではなく受け入れる人数にも制限がない。しかし、今年は人数制限なしだと待合が密になってしまうので、予約制で人数制限ありの医療機関が多い。実際、われらが品川区医師会休日診療所でも、そのような対応を取っている。区内の開業医も同じ方針だ。

 その結果、一施設当たりの診察可能患者数は減る。そのため、休日診療を行う医療機関数を増やす必要があると都は考え、今回の助成制度を立ち上げたのだろうと推測する。各検査会社に対しても厚生労働省が、年末年始も検体を受け入れ検査を継続するよう要請しているようだ。

 確かに、連日報道されるSARS-CoV-2陽性者数は増えている。しかし、だ。

 現時点であっても、クリニックの受診者は少ないままだ。理由として、受診控えもあるだろうが、手洗いやうがいの徹底による感冒患者の減少が大きいのではないだろうか。インフルエンザも区内ではほとんど報告されていない。品川区医師会休日診療所の受診者は、この時期、例年であれば少なくとも50人超、多いと100人程度だ。しかし、今年は1日に10人ほどと閑古鳥が鳴いている。

 都は必死で年末年始の診療体制を整えようとしているが、そもそも診療所レベルで需要があるのかしら、と素朴な疑問が湧いてくる。

著者プロフィール

三浦和裕(三浦医院院長)◎みうら かずひろ氏。2004年帝京大卒。東京警察病院、聖マリアンナ医科大などを経て、2012年より現職。2017年より品川区医師会理事。日本プライマリ・ケア連合学会認定医、日本外科学会認定登録医、がん治療認定医。

連載の紹介

三浦和裕の「地区医師会感染症担当理事のホンネ(折々グチ)」
品川区医師会理事で、感染症も担当する三浦氏。普段、医師会では感染症関連の仕事は皆無だったのが、新型コロナの流行により、区内のPCRセンターの立ち上げなどに奔走し、いつの間にか、日々更新される新たな通知などを熟読し、医師会員向けに整理し直して発信する立場に。そんな三浦氏が、行政やら日本医師会、東京都医師会、学会からの膨大な情報を通読し、自身も発熱患者の診療の最前線に立つ中で感じたこと、疑問に思うこと(時々は愚痴も)を発信します。

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