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新型コロナの検査、検査でくじけそうでも…

 20歳代の女性が、1週間前から続く倦怠感を伴う感冒症状のため来院した。診察の後、コロナのPCR検査を提案したところ、「会社と相談します」との返答。

 会社と相談? なぜ? 一瞬、思考停止しそうになる。その女性は、私の顔にクエスチョンマークがたくさん浮かんできたのを察したのか、「会社から検査は受けないように指示されているので……」と説明してくれた。

 会社とは? 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が社員の中で生じると風評被害が生じると考えているのだろうか。それとも、社員全員が濃厚接触者となり、自宅待機を指示されると誤解しているのだろうか。

 しかし、だ。この女性が本当にCOVID-19だったら、それと知らずに周囲に感染を広げちゃうことを会社は気にするべきものではないだろうか。それに、だ。そもそも、COVID-19を疑うから検査を勧めているわけで、適切な対応を拒否させる権利を会社という組織は有しているのだろうか。もしも急に増悪した場合、その責任を取って彼女の面倒を見てくれるのだろうか。

 ぐるぐると頭の中でいろいろなことを考えちゃう私だが、一言で言っちゃえば、「そんな会社、イヤだ!」。

 かと思えば、「陰性証明」を求めて来院する人もいる。

著者プロフィール

三浦和裕(三浦医院院長)◎みうら かずひろ氏。2004年帝京大卒。東京警察病院、聖マリアンナ医科大などを経て、2012年より現職。2017年より品川区医師会理事。日本プライマリ・ケア連合学会認定医、日本外科学会認定登録医、がん治療認定医。

連載の紹介

三浦和裕の「地区医師会感染症担当理事のホンネ(折々グチ)」
品川区医師会理事で、感染症も担当する三浦氏。普段、医師会では感染症関連の仕事は皆無だったのが、新型コロナの流行により、区内のPCRセンターの立ち上げなどに奔走し、いつの間にか、日々更新される新たな通知などを熟読し、医師会員向けに整理し直して発信する立場に。そんな三浦氏が、行政やら日本医師会、東京都医師会、学会からの膨大な情報を通読し、自身も発熱患者の診療の最前線に立つ中で感じたこと、疑問に思うこと(時々は愚痴も)を発信します。

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