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第11回
認知症の睡眠問題は「診立て」が肝心

2019/06/27
三島和夫(秋田大学精神科学講座)
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 認知症では多様なBPSDが見られます。被害妄想、感情失禁、自閉、拒絶、幻覚、抑うつなど様々です。これらと並んで、夜間の不眠、昼間の強い眠気、昼夜逆転などの睡眠-覚醒リズムの異常はとても頻度が高く、多くの調査では頻度の高いBPSDのトップ3に入っています。

 認知症の睡眠問題は他のBPSDを悪化させる要因にもなります。その理由の1つは、不眠や昼夜逆転があると夜間覚醒時にBPSDが集中することが多くなり、介護負担が増大します。いったん夜間のBPSDが激しくなると、デイケアなどを利用しても、せっかく人手がある昼間に居眠りばかりしています。それでは自宅に戻っても眠れるはずがなく、夜間のBPSDが悪化するばかりです。

 そもそも認知症では、なぜ睡眠問題が多いのでしょうか。その理由は主に3つあります。

著者プロフィール

三島和夫(秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座教授)●みしま かずお氏。1987年秋田大学卒。医学博士。秋田大学医学部精神科学講座助教授、米国スタンフォード大学医学部睡眠研究センター客員准教授、国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。専門は精神医学、睡眠医学、時間生物学。日本睡眠学会理事、日本時間生物学会理事。『朝型勤務がダメな理由』(日経ナショナルジオグラフィック社 、2016)など著書多数。

連載の紹介

三島和夫の「知って得する睡眠臨床」
日本人の5人に1人が悩まされている睡眠問題。眠れない、眠いと訴える患者にどう対処するべきか、医師の悩みも少なくありません。日本睡眠学会の『睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン』を取りまとめた、睡眠医療の第一人者である三島氏が、プライマリ・ケア医が押さえておくべき睡眠障害の診立て方と対処法をやさしく解説します。

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