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医療制度改革のヒントを探る

第9回
供給(病床数)が需要を生む

2010/07/20
ルードヴィヒ・カンツラ(マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパン)

 日本では、人口当たりの病床数が先進諸外国に比べて多い。多くの病床を抱え、その稼働率を一定水準に維持しようとすれば、回転率の低い一部の医療機関は、在院日数を引き伸ばすことで調整しようとすることも、経営の面からはあり得ることだろう。一方で、高齢者の「社会的入院」が問題視されてきたが、社会的入院から脱したくても、適切な受け入れ先がない患者も多く存在している。そうした患者を抱えることは、医療機関にとっても切実な問題である。

 実際に、日本では患者の平均在院日数が先進諸外国に比べ長いとよく言われる。在院日数を比較する際、病床の種類が問題となるが、日本には、OECD諸国が設けている「急性期病床(acut ecare bed)」という区分がない。そこで、定義が近い「一般病床」を比較対象として採用した。日本における一般病床での在院期間、入院当たりの在院日数をOECD諸国の急性期病床と比較すると、平均日数は他国の2.7倍である。

著者プロフィール

ルードヴィヒ・カンツラ(マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパン)●オックスフォード大学にて経済学修士・博士号取得。1995年より日本在住。2001年マッキンゼー入社。アジア諸国(主に日本)でのヘルスケア分野を主に担当。

連載の紹介

医療制度改革のヒントを探る
マッキンゼーが、日本国内の医療制度について2008年末に独自にまとめたレポート「医療制度改革の視点」の内容を順次紹介していきます。ぜひ一緒に考えてみてください。本連載の意義と目的については、こちらをご覧ください。

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