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医療制度改革のヒントを探る

第2回
医療財源をどう確保するか

2010/04/27
ルードヴィヒ・カンツラ(マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパン)

(1)現状の仕組みの下での負担率のシミュレーション
 これまで日本の医療費は、「保険料」、「患者の自己負担」、「公費負担」を財源としてきた。我々の試算では、これらが現在の水準に据え置かれた場合、財源収入は現在の33兆円から、2020年に43兆円、2035年に49兆円まで増加する。しかしこれでは、2020年に19兆円の財源不足を起こし、さらに2035年には不足額は43兆円にまで広がる。

 この将来の不足額を、既存財源である「保険料」、「患者の自己負担」、「公費負担」の3つの組み合わせで全額賄うとした場合、それぞれの負担率を相当のレベルまで引き上げなければならないことは、不足額の大きさから容易に推測される。そこで、我々はこれらの3つをどう組み合わせれば、将来の医療費が全額賄えるかを試算した。

 そのシミュレーションを図解した。3つのレバーのうち、「患者の自己負担」の比率を現在の水準(10%~30%)に据え置いた場合、医療費の増加分を全額賄うには、保険料率と公費負担率をどこまで引き上げる必要があるかを図示している。公費負担の財源は消費税とし、消費税は増税分をすべて医療費に充てると仮定して、必要な税率を算出した。

著者プロフィール

ルードヴィヒ・カンツラ(マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパン)●オックスフォード大学にて経済学修士・博士号取得。1995年より日本在住。2001年マッキンゼー入社。アジア諸国(主に日本)でのヘルスケア分野を主に担当。

連載の紹介

医療制度改革のヒントを探る
マッキンゼーが、日本国内の医療制度について2008年末に独自にまとめたレポート「医療制度改革の視点」の内容を順次紹介していきます。ぜひ一緒に考えてみてください。本連載の意義と目的については、こちらをご覧ください。

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