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第19回 メンタルヘルスケアに用いる漢方薬(その1)
五月病の時期に活用したい「メンタル」への漢方

2022/05/16
松田 正(みさとファミリークリニック院長)

 5月に入り、草木が芽吹き暖かくなってくると、メンタルヘルス不調の患者さんが増えてきます。秋雨前線停滞の頃にも同様の症状が出やすいのですが、この時期は日照時間が減って急速に気温が下がるので、何となく理由が分かります。しかし、寒暖差による自律神経への影響が出やすい時期とはいえ、春先で陽気も良く日照時間が増えていく季節に、元気がなくなったり体調が悪くなったりする人が多いのは、ちょっと不思議です。もっとも「五月病」という言葉があるように、仕事や学校の環境の変化から少し時間がたって訪れる心身の不調という側面はあるのだと思います。

 さて、これまでの連載で、漢方薬には即効性があり、心と体は一体であるという「心身一如(しんしんいちにょ)」の効能が優れているという魅力を度々お伝えしてきました。従来の漢方薬の使い方は、「不定愁訴を取り除くため」「何も処方しないとかえって説明が面倒なので」「長期間飲んでいればそのうち効きますよ」──などという消極的なものが多かったのではないでしょうか。しかし、本連載にお付き合いいただいている読者の皆さんは、今や全く違う印象をお持ちのはずです。メンタルヘルスに使用される漢方薬も多岐にわたりますが、まさに「心身一如」の効果を発揮し即効性も期待できる代表的な漢方薬を、何回かに分けてご紹介します。

著者プロフィール

松田 正(みさとファミリークリニック[埼玉県三郷市]院長)●まつだ ただし氏。1987年日本大学医学部卒。1991年日本大学大学院医学研究科博士課程修了。1990~92年にかけて米国アイオワ大学心臓血管研究所に留学。日本大学医学部内科学兼任講師を経て、2006年にみさとファミリークリニックを開業。もともと漢方薬は全く使用していなかったが、大野修嗣氏(元日本東洋医学会副会長)との出会いから、漢方の可能性に目覚める。大野氏に師事しながら、頭痛をはじめ内科・小児科領域の様々な疾患に対して漢方薬による治療を実践している。

連載の紹介

松田正の「急性疾患にこそ漢方薬を!」
「漢方薬は急性疾患にこそ有用!」という松田氏が、漢方薬の効果を速やかに引き出す「タイミングと用量のコツ」を交えながら、明日の急性期診療にすぐに役立つ漢方薬の使い方を紹介します。ぜひ読者の先生方にも試していただき、ご感想やより良い使い方のご提案をお待ちしています。

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