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第11回 気管支喘息
症状別・気管支喘息に使う漢方薬の選び方

2022/01/17
松田 正(みさとファミリークリニック院長)

 3連休明けの1月11日の当院外来では、新型コロナウイルスのPCR検査を13人に実施し、9人が陽性でした。8人はデルタ株変異陰性、1人は判定不能で、恐らく全例オミクロン株と推測しています。このように感染第6波の大波に遭遇し、お正月気分は一気に吹き飛んでしまいました。

 オミクロン株の感染伝播力は確かに強いものの、決して悪いニュースばかりではないとも感じています。というのは、デルタ株に比べてオミクロン株の感染者に対する漢方薬の感受性は明らかに高くなっており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がもはや感冒に近づいていることを、漢方薬の薬効から確信しているからです。

 この日に陽性が判明した9例中、1例では大青竜湯(だいせいりゅうとう)、2例は麻黄湯(まおうとう)、2例は葛根湯(かっこんとう)、残る4例では柴葛解肌湯(さいかつげきとう)を用いましたが、翌日には全例で解熱し、症状も軽快しました。各漢方薬の使用法の詳細は、過去の3つの記事(実践編・発熱患者への漢方薬の使い方隠れた「スーパーヒーロー漢方薬」越婢加朮湯葛根湯医者になろう──かぜから新型コロナまで)を参照していただければ幸いです。

 デルタ株では解熱・症状軽快まで少なくとも3日程度は掛かっていたのと比べると、薬効の差は明らかでした。オミクロン株では、まだ使いづらい治療薬を使用しなくても(PCR結果が出るまで使えませんし)、PCR検査直後から治療開始が可能な漢方薬治療で、十分対応できるケースが多いのではないかと私は考えています。現在の「2類相当」としての位置付けから、5類感染症に変更される日が近い将来に訪れることを願っております。

著者プロフィール

松田 正(みさとファミリークリニック[埼玉県三郷市]院長)●まつだ ただし氏。1987年日本大学医学部卒。1991年日本大学大学院医学研究科博士課程修了。1990~92年にかけて米国アイオワ大学心臓血管研究所に留学。日本大学医学部内科学兼任講師を経て、2006年にみさとファミリークリニックを開業。もともと漢方薬は全く使用していなかったが、大野修嗣氏(元日本東洋医学会副会長)との出会いから、漢方の可能性に目覚める。大野氏に師事しながら、頭痛をはじめ内科・小児科領域の様々な疾患に対して漢方薬による治療を実践している。

連載の紹介

松田正の「急性疾患にこそ漢方薬を!」
「漢方薬は急性疾患にこそ有用!」という松田氏が、漢方薬の効果を速やかに引き出す「タイミングと用量のコツ」を交えながら、明日の急性期診療にすぐに役立つ漢方薬の使い方を紹介します。ぜひ読者の先生方にも試していただき、ご感想やより良い使い方のご提案をお待ちしています。

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