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第6回 小建中湯
小建中湯──私が漢方に魅了されたきっかけ

2021/11/01
松田 正(みさとファミリークリニック院長)

 私ごとですが、漢方薬を使い始めたのはわずか14年ほど前のことでした。実は医師になってからの20年間、私は漢方薬に対して「うさんくさい民間療法」といった懐疑的なイメージしか持っていませんでした。

 漢方薬を食わず嫌いしていた私でしたが、小児のインフルエンザにタミフルが一時的に使用できなかった時期に、「麻黄湯」を代わりに使用できると知り、渋々、大野修嗣先生(大野クリニック[埼玉県比企郡]院長)の講義を拝聴に行ったのが漢方との最初の出会いでした。そこで大野先生の講義に魅了されたのをきっかけに、その後も大野先生の講義に連続して参加させていただきながら、徐々に漢方薬を使うようになりました。

 ただ、漢方薬と決定的に恋に落ちたのは、「著効例」に出会ってからです。そして、初めて著効例を経験した漢方薬、いわば私にとっての初恋は、「小建中湯(しょうけんちゅうとう)」でした。自分が処方した漢方薬によって患者さんが劇的に改善する経験の積み重ねが、私を育ててくれていると実感しています。

 前置きが長くなってしまいましたが、今回は私の初恋相手、小建中湯をご紹介します。まず、私が経験した著効例を振り返ります。

著者プロフィール

松田 正(みさとファミリークリニック[埼玉県三郷市]院長)●まつだ ただし氏。1987年日本大学医学部卒。1991年日本大学大学院医学研究科博士課程修了。1990~92年にかけて米国アイオワ大学心臓血管研究所に留学。日本大学医学部内科学兼任講師を経て、2006年にみさとファミリークリニックを開業。もともと漢方薬は全く使用していなかったが、大野修嗣氏(元日本東洋医学会副会長)との出会いから、漢方の可能性に目覚める。大野氏に師事しながら、頭痛をはじめ内科・小児科領域の様々な疾患に対して漢方薬による治療を実践している。

連載の紹介

松田正の「急性疾患にこそ漢方薬を!」
「漢方薬は急性疾患にこそ有用!」という松田氏が、漢方薬の効果を速やかに引き出す「タイミングと用量のコツ」を交えながら、明日の急性期診療にすぐに役立つ漢方薬の使い方を紹介します。ぜひ読者の先生方にも試していただき、ご感想やより良い使い方のご提案をお待ちしています。

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