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【連載第5回】
説明下手が患者の立ち去りを招く

2007/03/02

 この連載の第1回目でも紹介した通り、患者の総合満足度に一番大きく影響を与え、クリニックがはやるかどうかを左右するのは、看護師でも受付事務員でもなく、医師の評判である。そして、この「医師の評判」をさらに詳しく分析すると、特に重要なのは「医師と患者のコミュニケーション」であることが分かる。

 先日も、このような事例に遭遇した。

 関東地方にあるA医院から、「患者が徐々に減っているのだが、どうしたらよいか」という相談があった。近くに同じ診療科を持つ医療機関ができたとか、そもそも過疎が進んで住民が減っているとか、そういった環境要因は特に見当たらない。

 そこで、通常とは少し違った方法で、患者満足度調査を行うことにした。普段の調査は、受診中の患者を対象に行うが、この調査では、対象を「本来なら継続受診が必要と考えられるにもかかわらず、来院しなくなった患者」とした。患者減少の原因を、直接、来院しなくなった患者に確認するためである。

 その結果、来院しなくなった患者の約6割は「完治した」「病状が安定した」など、自己判断で治療を中断していたが、残りの4割ほどは「現在は別の医療機関で治療を継続している」と回答した。この4割の患者の半数強は、転居など相応の理由があっての転院だったが、全体の1~2割に当たる残りの患者は、A医院に何らかの不満があって別の医療機関に転院していたことが明らかになった。

著者プロフィール

前田 泉(スナッジ・ラボ社長)●まえた いずみ氏。1985年東北大学農学部卒後、2002年英国でMBAを取得。外資系製薬会社でマーケティング業務に従事後、04年にスナッジ・ラボを設立。

連載の紹介

【実用講座】患者にモテる医者になる!
患者に慕われ信頼を集める「モテる医者」の魅力とは?医療マーケティング会社「スナッジ・ラボ」の前田氏が、数百件の医療機関で実施した患者満足度調査の結果を基に、人気医師・医療機関の“秘密”を分析します。

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