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American Journal of Respiratory and Critical Care Medicineから
「ILA」という疾患概念をご存じですか?

2022/06/14
倉原優(近畿中央呼吸器センター)

 Interstitial lung abnormalities(ILA)という呼吸器領域の用語をご存じでしょうか。検診などで行う胸部CT検査で肺野に、特に下葉の胸膜直下にある軽微な間質性陰影を見たことがある人も多いと思いますが、これを呼吸器科医はILAと呼んでいます。

 ILAがタイトルに含まれた論文はまだ100報くらいしかないため、非常に新しい用語であり、非呼吸器科医にとってはしっくり来ていないと思うので、ここで一度勉強しておきましょう。

 フライシュナー協会(Fleischner Society)によるILAの定義は「臨床的に間質性肺疾患(ILD)が疑われない患者において、間質性肺疾患に適合する可能性のある特定のCT所見」とされています1)。同一断面で5%以上の面積を占めるという条件を定義に入れることもあります。ILAは喫煙者の4~9%、非喫煙者の2~7%に認められるとされており、肺癌検診の普及によって同定例が増えていくと予想されます。

 ILAがあると、その後ILDに至る可能性が高くなります。当たり前かもしれませんが。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。自身のブログ「呼吸器内科医」で論文の解説やエッセイを執筆。著書は『ねころんで読める呼吸』シリーズ、『本当にあった医学論文』シリーズ、他多数。

連載の紹介

Dr.倉原の呼吸器論文あれこれ
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する医師。呼吸器診療に携わる医療従事者が知っておくべき薬や治療、手技の最新論文の内容を、人気ブログ「呼吸器内科医」の著者が日々の診療で培った知見と共に解説します。呼吸器診療の最先端を学べる臨床連載です。

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