
Interstitial lung abnormalities(ILA)という呼吸器領域の用語をご存じでしょうか。検診などで行う胸部CT検査で肺野に、特に下葉の胸膜直下にある軽微な間質性陰影を見たことがある人も多いと思いますが、これを呼吸器科医はILAと呼んでいます。
ILAがタイトルに含まれた論文はまだ100報くらいしかないため、非常に新しい用語であり、非呼吸器科医にとってはしっくり来ていないと思うので、ここで一度勉強しておきましょう。
フライシュナー協会(Fleischner Society)によるILAの定義は「臨床的に間質性肺疾患(ILD)が疑われない患者において、間質性肺疾患に適合する可能性のある特定のCT所見」とされています1)。同一断面で5%以上の面積を占めるという条件を定義に入れることもあります。ILAは喫煙者の4~9%、非喫煙者の2~7%に認められるとされており、肺癌検診の普及によって同定例が増えていくと予想されます。
ILAがあると、その後ILDに至る可能性が高くなります。当たり前かもしれませんが。