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European Respiratory Journalから
気管支を守ってくれる細菌? 名は「ロシア」

2021/12/07
倉原優(近畿中央呼吸器センター)

 Rothia mucilaginosaという菌をご存じでしょうか。日本語では「ロシア」(国のロシアとはつづりが違う)と呼びますが、血液寒天培地で増えるとネバネバすることから、微生物学の世界では有名な菌らしいです。血液内科領域では敗血症を引き起こした症例などが報告されていますが、呼吸器内科領域では聞いたことがありませんでした。ネバネバといえば、過粘稠性のKlebsiellaが有名です。しかし、この菌は基本的に気道にとって悪い菌で、この菌が起因菌となって肺炎で亡くなった大酒家の患者さんを私も経験しており、あまりいい思い出がありません。

 今回紹介するのはEuropean Respiratory Journalに掲載された、「Rothia mucilaginosaは、慢性肺疾患の気道における抗炎症性細菌(Rothia mucilaginosa is an anti-inflammatory bacterium in the respiratory tract of patients with chronic lung disease.)」です(Rigauts C, et al. Eur Respir J. 2021 Sep 29;2101293.)。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。自身のブログ「呼吸器内科医」で論文の解説やエッセイを執筆。著書は『ねころんで読める呼吸』シリーズ、『本当にあった医学論文』シリーズ、他多数。

連載の紹介

Dr.倉原の呼吸器論文あれこれ
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する医師。呼吸器診療に携わる医療従事者が知っておくべき薬や治療、手技の最新論文の内容を、人気ブログ「呼吸器内科医」の著者が日々の診療で培った知見と共に解説します。呼吸器診療の最先端を学べる臨床連載です。

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