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肺サルコイドーシスにニコチンパッチが効く?
Chest誌から

2021/08/10
倉原優(近畿中央呼吸器センター)

 欧米では、肺サルコイドーシスの発症を喫煙が抑制する可能性があると考えられています。これは、一般集団と比較してサルコイドーシスの患者さんに喫煙者が少ないという疫学的見地によるものです。ただし、日本人の集団では、喫煙とサルコイドーシスの関連性が西洋と異なる可能性があるとされており1)、人種によって差があるのかどうかも検討課題になっています。

 この「喫煙パラドックス」が正しいかどうかはさておき、患者さんにたばこを吸わせるわけにはいかないため、ニコチンパッチなら……という妙案によって思いついたであろうこの研究。プライマリアウトカムが肺機能というのが解せませんが、今後の長期的報告に期待したいところです。

 今回、紹介するのはChest誌に掲載された、「肺サルコイドーシスに対する経皮ニコチンパッチのパイロットランダム化比較試験(A Pilot Randomized Trial of Transdermal Nicotine for Pulmonary Sarcoidosis.)」です(Crouser ED, et al. Chest. 2021 May 21:S0012-3692(21)00962-4.)。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。自身のブログ「呼吸器内科医」を基に『ねころんで読める呼吸のすべて』(2015年)、『咳のみかた、考えかた』(2017年)などの書籍を刊行している。

連載の紹介

Dr.倉原の呼吸器論文あれこれ
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する医師。呼吸器診療に携わる医療従事者が知っておくべき薬や治療、手技の最新論文の内容を、人気ブログ「呼吸器内科医」の著者が日々の診療で培った知見と共に解説します。呼吸器診療の最先端を学べる臨床連載です。

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