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慢性咳嗽治療にP2X3受容体拮抗薬が承認へ!
European Respiratory Journalから

2021/07/13
倉原優(近畿中央呼吸器センター)

 MSDは、2021年3月、難治性または原因不明の慢性咳嗽に対してP2X3受容体拮抗薬であるゲーファピキサントクエン酸塩を日本で承認申請したと発表しました。呼吸器内科医にとっては、結構大きなニュースです。

 慢性咳嗽に対する治療オプションというのはかなり限られていますが、ずーーーっと期待されていたのが、このP2X3受容体拮抗薬でした。P2X3受容体とは、気道にあるC線維上に発現しているATP受容体です。気道炎症があると、ATPが過剰に放出されるため、C線維上の同受容体が刺激されて、咳嗽の原因となります。気道炎症そのものの原因はヒトによってまちまちで、取るに足らないアレルギーであることもあれば、内因的な原因であったりします。しかし、咳嗽過敏症症候群(cough hypersensitivity syndrome)の状態になってしまうと、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(商品名メジコン他)や吸入薬は無効に近く、プレガバリン(商品名リリカ他)などを用いて治療することもあります。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。自身のブログ「呼吸器内科医」を基に『ねころんで読める呼吸のすべて』(2015年)、『咳のみかた、考えかた』(2017年)などの書籍を刊行している。

連載の紹介

Dr.倉原の呼吸器論文あれこれ
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する医師。呼吸器診療に携わる医療従事者が知っておくべき薬や治療、手技の最新論文の内容を、人気ブログ「呼吸器内科医」の著者が日々の診療で培った知見と共に解説します。呼吸器診療の最先端を学べる臨床連載です。

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