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結核性胸膜炎の診断に胸水中LD/ADA比が有用!
European Respiratory Journalから

2021/02/22
倉原優(近畿中央呼吸器センター)

 多くの呼吸器内科医は、胸水中のアデノシンデアミナーゼ(ADA)を測定します。ADAは細胞内で核酸の代謝に関わるアデノシンを分解する酵素です。結核性胸膜炎を発症すると、胸腔に侵入した結核菌や感作CD4陽性リンパ球がTh1細胞によるアレルギーを引き起こし、プリン代謝に関連するADAが増えるのではないかと考えられています。

 結核性胸膜炎であれば通常ADAは35~40 U/L以上になり、悪性胸水の94%で40 U/Lを下回ることから、40 U/Lがカットオフ値としてよく用いられています1-3)。ただし、膿胸などで偽陽性になることが多いのも問題です。

 今回紹介するのはEuropean Respiratory Journalに掲載された、「結核性胸膜炎に対する胸水LD/ADA比の有用性(The Utility of Pleural Fluid Lactate Dehydrogenase to Adenosine Deaminase Ratio in Pleural Tuberculosis)」です(Beukes A, et al. European Respiratory Journal. 2020 56: 1587; DOI: 10.1183/13993003.congress-2020.1587)。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。自身のブログ「呼吸器内科医」を基に『ねころんで読める呼吸のすべて』(2015年)、『咳のみかた、考えかた』(2017年)などの書籍を刊行している。

連載の紹介

Dr.倉原の呼吸器論文あれこれ
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する若手医師。呼吸器診療に携わる医療従事者が知っておくべき薬や治療、手技の最新論文の内容を、人気ブログ「呼吸器 内科医」の著者が日々の診療で培った知見と共に解説します。呼吸器診療の最先端を学べる臨床連載です。

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