
多摩総合医療センターから、貴重な報告です。いや、お世辞じゃなくて、本当に貴重なんです。
気管支鏡検査を行った後に患者さんが発熱した場合、「えらいこっちゃ、肺炎やで!」と呼吸器内科医が慌てるかといえば、そうでもなく、一時的な反応であることが多いので、まずは静観するのが普通です。「サイトカインがちょっと反応しちゃったぜ」という程度です。しかし、中にはガチで肺炎になってしまう患者さんもいます。特に気管支肺胞洗浄を行った後は、洗浄液によって一時的に肺の透過性が低下するため、評価がなかなか難しいところです。
今回紹介するのはScientific Reports誌に掲載された、「気管支鏡後の肺炎のリスク:症例対照研究(Risk factors for post-bronchoscopy pneumonia: a case-control study.)」です(Sato Y, et al. Sci Rep . 2020 Nov 17;10(1):19983.)。