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COPDに経口抗コリン薬が効く!?
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis誌から

2019/12/09
倉原優(近畿中央呼吸器センター)

 COPDに対する長期管理薬で1秒量を最も底上げできるのが、吸入長時間作用性抗コリン薬(LAMA)です。しかし、高齢者ではこれがうまく吸えなかったり、吸入アドヒアランスが悪かったりして、主治医としても苦労が絶えません。

 「錠剤なら忘れずに飲んでくれるのになぁ」と思うことがよくあるのですが、抗コリン系の薬剤を内服してもらうと、それはそれで副作用が気になります。

 紹介する論文は、Int J Chron Obstruct Pulmon Dis誌に掲載された「COPD患者におけるムスカリン受容体アンタゴニスト イミダフェナシンによる肺機能の改善:多施設共同ランダム化二重盲検プラセボ対照3×3クロスオーバー第2相試験(Imidafenacin, An Orally Active Muscarinic Receptor Antagonist, Improves Pulmonary Function In Patients With Chronic Obstructive Pulmonary Disease: A Multicenter, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled 3×3 Crossover Phase II Trial.)」です(Machida K, et al. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2019 Sep 19;14:2175-2184. doi: 10.2147/COPD.S223002.)。

 これは、40歳以上の安定期COPD(GOLD IIおよびIII)の患者さん27人を対象に行われた、経口抗コリン薬イミダフェナシン(商品名ウリトスステーブラ)の短期的な有効性を調べるための小規模な比較試験です。抗コリン薬の禁忌に該当する患者さんや、長期に在宅酸素療法が継続されている患者さんは除外されました。

 本試験は、3×3のクロスオーバーです。それぞれの間にウォッシュアウト期間7~28日を空けて、プラセボ、イミダフェナシン0.1mg、イミダフェナシン0.3mgのいずれかを内服してもらいました。その上で、内服後24時間の間にイミダフェナシン群で最大1秒量がベースラインからどれだけ変化するか観察しました。

 ベースラインからの最大1秒量変化は、イミダフェナシンの2用量群においてプラセボより有意に上昇したという結果が得られました(図1)。おおお。長期投与のデータを見た研究ではないのではっきりと断言できませんが、最大瞬間的には100mL以上の改善が認められていますね。

図1 イミダフェナシンの1秒量に対する効果(文献より引用)

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。自身のブログ「呼吸器内科医」を基に『ねころんで読める呼吸のすべて』(2015年)、『咳のみかた、考えかた』(2017年)などの書籍を刊行している。

連載の紹介

Dr.倉原の呼吸器論文あれこれ
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する若手医師。呼吸器診療に携わる医療従事者が知っておくべき薬や治療、手技の最新論文の内容を、人気ブログ「呼吸器 内科医」の著者が日々の診療で培った知見と共に解説します。呼吸器診療の最先端を学べる臨床連載です。

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