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特発性肺線維症の新治療薬:オートタキシン阻害剤GLPG1690
Lancet Respiratory Medicine誌から

2018/07/13
倉原優(近畿中央胸部疾患センター)

 2018年5月にサンディエゴで開催されたアメリカ胸部学会(American Thoracic Society)の総会では、特発性肺線維症(IPF)の新しい治療がいくつか紹介されていました。その中で、トップジャーナルに掲載されたものを今月2編紹介させていただきます。

 今回は、オートタキシン阻害剤に関する論文です。

 論文は、Lancet Respiratory Medicine誌に投稿された「特発性肺線維症に対する新規オートタキシン阻害剤GLPG1690の安全性、忍容性、薬物動態学、薬力学(FLORA研究):第2a相ランダム化プラセボ対照試験(Safety, tolerability, pharmacokinetics, and pharmacodynamics of GLPG1690, a novel autotaxin inhibitor, to treat idiopathic pulmonary fibrosis (FLORA): a phase 2a randomised placebo-controlled trial.)」(Maher TM, et al. Lancet Respir Med. 2018 May 18. pii: S2213-2600(18)30181-4. doi: 10.1016/S2213-2600(18)30181-4. [Epub ahead of print])です。

 オートタキシンは血液中に存在するリゾホスホリパーゼで、リゾホスファチジルコリンを加水分解してリゾホスファチジン酸(LPA)を産生する酵素です。LPAがたくさん産生されることで、LPA受容体が活性化され、線維芽細胞の遊走が促進されます()。そのため、オートタキシンを阻害することで、線維化を抑制できる可能性があるのです。

 オートタキシンと肺の線維化

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。自身のブログ「呼吸器内科医」を基に『ねころんで読める呼吸のすべて』(2015年)、『咳のみかた、考えかた』(2017年)などの書籍を刊行している。

連載の紹介

Dr.倉原の呼吸器論文あれこれ
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する若手医師。呼吸器診療に携わる医療従事者が知っておくべき薬や治療、手技の最新論文の内容を、人気ブログ「呼吸器 内科医」の著者が日々の診療で培った知見と共に解説します。呼吸器診療の最先端を学べる臨床連載です。

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