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FULFIL試験:COPDに対するトリプル吸入療法の幕開け

2017/06/02
倉原優(近畿中央胸部疾患センター)

 COPDの治療といえば、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)あるいは長時間作用性β2刺激薬(LABA)を用いて、LAMA/LABAにステップアップする吸入治療が一般的です。世界的にはLAMA/LABAを早期から用いる流れになりつつあります。

 最も新しいCOPDガイドラインであるGOLD20171)では、吸入ステロイド薬(ICS)の位置付けが少し下がってしまいました()。

 これは、ICSが肺炎のリスクを上昇させる懸念があるためです。ただし、ICS/LABAをCOPDに用いても、肺炎リスクは上昇しますが死亡リスクを上昇させるほどの弊害はありません。また、何度もCOPD増悪を繰り返す患者さんにはICS/LABAが増悪予防に有効とする研究結果も数多く存在します。今後、LAMA/LABAがどんどん推奨される流れになると思いますが、増悪を繰り返す例にはもしかしたらICS/LAMA/LABAというトリプル吸入療法が妥当とされるかもしれません。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。自身のブログ「呼吸器内科医」を基に『ねころんで読める呼吸のすべて』(2015年)、『咳のみかた、考えかた』(2017年)などの書籍を刊行している。

連載の紹介

Dr.倉原の呼吸器論文あれこれ
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する若手医師。呼吸器診療に携わる医療従事者が知っておくべき薬や治療、手技の最新論文の内容を、人気ブログ「呼吸器 内科医」の著者が日々の診療で培った知見と共に解説します。呼吸器診療の最先端を学べる臨床連載です。

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