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Chest誌から
CPAP療法の成否にリークは大事!

2017/02/03
倉原優(近畿中央胸部疾患センター)

 CPAP療法に限らず、非侵襲性陽圧換気(NPPV)を使用する際、マスクから漏れるリークが多すぎないかどうかチェックする必要があります。寝相の悪い人は、CPAP療法中にマスクがズレてしまうことはしばしば。中には、寝ながらマスクを外してしまう患者さんだっています。それでも急性期のNPPVのような致命的なリスクがないのがOSAS(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)・OSA(閉塞性睡眠時無呼吸)のCPAP療法なんですけどね。

 今回紹介するのは、Chest誌に発表されたあるシステマティックレビューです。タイトルは「CPAP療法を受けている際の意図せぬリークに寄与する因子:システマティックレビュー(Factors contributing to unintentional leak during CPAP treatment: a systematic review.)」(Lebret M, et al. Chest. 2016 Dec 13. pii: S0012-3692(16)62581-3. doi: 10.1016/j.chest.2016.11.049. [Epub ahead of print])です。

 CPAP療法は言わずもがな、中等症~重症のOSAS・OSAの第一選択とされています。しかしCPAP療法を受けた患者さんの、実に4人に1人がCPAP療法が「合わない」ため治療中断を余儀なくされています1),2)。CPAPの機器は昔に比べると格段に進化しましたが、それでもなおこの問題が完全に対処されたとは言えません。

 このシステマティックレビューは、機器的・技術的な観点と患者さんサイドの観点から論じられています。

 著者によれば、口鼻マスクは意図せぬリークの高さと関連している報告が2つあったそうです3),4)。これを持ってリスク増加と断言はできないと思うのですが、総評としては「口鼻マスクはリーク増加と関連している」と結論づけているようです。口鼻マスクは一般的によく用いられているマスクですが、口マスクや鼻マスク(nasal pillow)の方がリークの観点からはよいかもしれません。また、その他のリスク因子として、鼻閉塞、高齢者、BMI高値、中枢性肥満、男性、についても意図せぬリークの増加と関連していると考えられました()。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。自身のブログ「呼吸器内科医」を基に『ねころんで読める呼吸のすべて』(2015年)、『咳のみかた、考えかた』(2017年)などの書籍を刊行している。

連載の紹介

Dr.倉原の呼吸器論文あれこれ
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する若手医師。呼吸器診療に携わる医療従事者が知っておくべき薬や治療、手技の最新論文の内容を、人気ブログ「呼吸器 内科医」の著者が日々の診療で培った知見と共に解説します。呼吸器診療の最先端を学べる臨床連載です。

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