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European Respiratory Journalから
赤ちゃんは動物の毛皮の上に寝かせるとよい?

2015/09/04
倉原優(近畿中央胸部疾患センター)

 「衛生仮説」という考え方があります。乳幼児期までの感染や非衛生的環境がその後のアレルギー疾患の発症を低下させるという説です。衛生仮説の歴史は1989年にさかのぼります。Strachan医師は23年間の調査で、アトピー性疾患の増加は家族メンバーの減少、家庭内設備の改善、清潔度の上昇による乳幼児の感染頻度の滅少がもたらしたのではないかと考えました1)。その後色々な研究が進められていますが、いまだにこの衛生仮説が真実なのかどうかは専門家の間でも意見が分かれています。

 今回ご紹介するのは「動物の毛皮の上で寝ることはその後の小児喘息に関連する(Sleeping on animal fur is related to asthma outcomes in later childhood)」(Tischer C, et al. Eur Respir J. 2015;46:107-14.)2)という論文です。

 動物の毛皮の上で寝ると、乳幼児期に微生物の曝露を増やします。それがひいては喘息の発症を減らすのではないか、と考えたのがこの論文です。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。自身のブログ「呼吸器内科医」を基に『ねころんで読める呼吸のすべて』(2015年)、『咳のみかた、考えかた』(2017年)などの書籍を刊行している。

連載の紹介

Dr.倉原の呼吸器論文あれこれ
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する若手医師。呼吸器診療に携わる医療従事者が知っておくべき薬や治療、手技の最新論文の内容を、人気ブログ「呼吸器 内科医」の著者が日々の診療で培った知見と共に解説します。呼吸器診療の最先端を学べる臨床連載です。

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